第十五話 こちらを見ている的なお話
おっさん'sを拘束してすぐに衛兵さん達がやって来た。
どうやら野次馬の誰かが呼びに行っていたようだ。
まあ、可愛い子がガラの悪いのに絡まれてるしボロ雑巾みたいなヤツが転がってるしで野次馬も衛兵も来るよね、普通。
その後、俺やセフィア、青い髪の少女に早いうちから見てた野次馬が事情聴取を受ける。
事情聴取の結果ある程度予想は付いていたけど、おっさん'sからナンパと呼ぶには程遠い下卑た欲望丸出しな口説きを受けたようだ。
そこを通りがかったボロ雑巾君…じゃなくて金髪青年が助けようとするも、多勢に無勢で伸された所で俺が現れたそうだ。
そこからは知っての通り。
で、おっさん'sは死者も居らず酔っ払っていたこともあり、金髪青年の治療費と罰金で済むそうだ。
牢屋送りじゃないとか、ちょっと、いやかなり残念だ。
合流した後の事とか特に考えていなかったしあんな事があったばかりなのでとりあえず近くの喫茶店に入る。
ずっとついて来ている青い髪の子の事も気になるし。
注文した飲み物がそれぞれの元に来てから青い髪の子の事を聞いてみる。
「えっと、とりあえずお互い自己紹介しようか。なんでセフィアと一緒に居るのかとか気になるけどまずは君の事を教えてくれるかな?流石にずっと君と呼ぶわけにはいかないし。」
「リリン。」
「………それだけ?」
そう尋ねると小さく頷いた。
「えっと、俺はレントでこっちはセフィア。一応冒険者をやっている。といってもこの前冒険者になったばかりだけど。」
「よろしくね。」
「…よろしく。」
「えっと、それでセフィアと一緒に居た理由は何かな?」
「道案内を頼んだら一緒に絡まれた。」
そうなのかとセフィアの方を見る。
「冒険者ギルドは何処って聞かれたから、待ち合わせ場所だしちょうどいいと思って案内してたんだよ。」
「冒険者ギルドって事は冒険者登録しに来たって事?」
「違う。」
「じゃあ、依頼を頼みに?」
「違う。私はもう冒険者。それにDランク。」
「えっと、じゃあなんで道を尋ねたの?」
「前居たとこは碌なのがいなかった。だからパーティーを組む為にこの街に来た。」
「つまり別の街で冒険者をしていたけど、パーティーメンバーになりうる人を求めてこの街に来たと。」
「そう。でももう見つけた。」
「?」
「レントは面白いし、セフィアはいい奴。だから仲間に入れて。」
リリンが仲間にして欲しそうにこちらを眠そうな目で見ている。
仲間にしますか?
はい/いいえ
「え、まだ知り合ったばかりだし急に言われても。」
「入れて。」
「それにランクも離れてるし。」
「入れて。」
「いや、でも、他にいい人が「入れて。」」
リリンが仲間にして欲しそうにこちらをジト目で見ている。
仲間にしますか?
はい/いいえ← ピッ!
その選択肢にはロックがかかっています。
他の選択肢を選んでください。
はい←/いいえ ピッ!
「………はい。分かりました。仲間になってください。」
「ん。ありがとう。」
リリンが新たに仲間に加わった。
「これから一緒に頑張ろうね。リリンちゃん。」
「ん。あと、リリンでいい。レントも。」
「うん。分かった。これからよろしくね、リリン。」
なんかゲームみたいな感じで話が進んでしまった。
まあ、それは置いといて、今はリリンについてかな。
改めてリリンを見てみると、青い髪のショートヘア?(どの程度までがショートヘアかわかんないけど)に小柄な体躯。
童顔の美少女といっても過言じゃない容姿。
それに服装からして純粋な魔法使いというわけではなさそう。
戦闘スタイルは後で聞くとして。
「それじゃ、ギルドに行ってパーティ申請しようか。」
そんなわけで仲間が増えました。
美少女だし、ま、いっか。