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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第八章】真・アクリアでの話
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番外編if アリシアさん(?)と一緒のお正月

本当は三が日の間に投稿したかったんですけど、間に合いませんでした。

さて。

クリスマスが過ぎてから早1週間。

もうすっかり年末年始の雰囲気になっている。

クリスマスの時もハロウィンやったばかりなのにもうクリスマスかよとか思ったが、今の時期でも思う。

もう正月だなんだと言うのかよ、と。

それに大掃除もさぁ〜、別に年末にやる必要なくね?

だって年末だと色んなところがお休みとかしてるし、そんな状況で大掃除して大きな物とか引き取ってもらえなかったら邪魔になるだけじゃないか。

それにこんなクッソ寒い中やるよりも暖かい時期にやった方が良くない?

どうせ年越したからって何かが変わるわけじゃないんだし。

なんて事を考えたりもするけど、大掃除するぞー! と意気込んでいる母に反逆する勇気も持てずに律儀に手伝い、現在は疲れておこたに巣食ってます。

みかんうめぇ。


「あんた初日の出どうする?」

「んー、疲れたしパスで。多分起きれないし。」

「そう。じゃあ私とお父さんはもう寝るから後よろしくね。ああ、後年越し蕎麦は緑の◯ぬきが置いてあるから。」

「あーい。」


しばらくおこたで温った後、お湯を沸かしてコポポと注いで5分待つ。

年越し蕎麦がインスタントなのはちょっと寂しい気もするが、夕食はちょっとお高い牛肉を使った鍋だったしこれでもいいやって気分になるというもの。

そして5分経ったので早速食べる。

確か年越し蕎麦は年を越す前に食べないといけないんだよな。

金運が逃げるとか言うし。

なんでそうなったかは分からないが。


「あ、お兄ちゃん。そろそろカウントダウン始まるよ。」

「やべ! 後ちょっと……よし、食べ終わったー。間に合ってよかった〜。」


俺が食べ終わってカップをおこたに置いた瞬間テレビからパンパンパンという新年を祝う祝砲の音が聞こえた。

ちょっとビクッとしてしまったのは内緒だ。


「あけましておめでとう、お兄ちゃん。」

「ああ。あけましておめでとう、唯。」


新年となり妹の唯に挨拶をする。

唯も明日の初日の出は見ないのだろう。

見るならこんな時間まで起きていたら多分明日の朝は起きれないだろうし。


年越し蕎麦を食べてすぐに寝ると太るのでしばらく新年のテレビ番組を見るが、やばい……疲労もある上に食後という事もあってなんか眠くなってきた。

あー、まぶたが、開けてるの辛い……。

そういえばスマホのブルーライトで眠気がどうのって話があったよな。

とりあえず適当になろうでも読もう……読んでるうちに目が冴えてくるかもしれないし。



高く聳え立ち、中腹以降は年中溶ける事の無い雪が積もっており、山頂付近には常に雲が掛かっている霊峰、Fu-ji山。

今回の依頼はそのFu-ji山の山頂にのみ生えるといわれる伝説の薬草、マンドラゴンナスを取ってくるというものだ。

だが、マンドラゴンナスを守護するリッチーが居るという噂もある。

そのリッチーはリュートのような楽器を掻き鳴らしながら様々な魔法を放ってくるらしい。

そして坊さんみたいな姿をしているらしい。

なんとも冗談みたいな話だがリッチーが出てくる可能性がある以上は万全の状態でことにあたるべきだろう。

俺は卵から孵した相棒のイグナイトホークのピュリオス、妹で武闘家のユイ、幼馴染で神官戦士のアリシア、これまた幼馴染で魔法使いのユウキと共に霊峰Fu-ji山へと向かった。


高く聳える霊峰は様々な姿を見せる過酷な道程となった。

晴れたかと思えば、雨、雨かと思えば吹雪、吹雪かと思えば暴風。

ころころと変わる天候に加えてここにしか生息しない魔物達と戦闘になる事もあり、心休まる時など無かった。

しかし、昔からの強い絆を以って俺たち4人と1羽は少しずつ歩を進めていく。

登り始めて10日。

俺達は遂にその頂へと足を踏み入れた。


「よくぞここまで来た、冒険者達よ。」

「お前がマンドラゴンナスを守護するというリッチーだな?」

「如何にも。だが1つ間違いがある。我が護っているのではない。ここにあるマンドラゴンナスは我が育てているのだ。自身が育てた作物を護るは至極当然の事だと思うが、違うか?」

「ごもっともで。なら、そのマンドラゴンナスをお譲りいただく事は出来ませんか?」

「お主達にその資格があれば、構わぬ。」

「資格……ですか?」

「左様。価値あるものは持つだけで様々な影響を与える。今回で言えば、弱き者は略奪されそのまま殺される事もあるだろう。だが、我がマンドラゴンナスのせいでそのような事になれば寝覚めが悪いというもの。故に、簡単に殺されぬ強き者である事を我に証明してみせよ!」


そう、リッチーが宣言すると同時に俺達は異空間に飛ばされ、いつの間にか取り出したであろうリュートのような楽器を掻き鳴らすリッチーに襲われる。

掻き鳴らされた音色は魔力を帯び、魔法となってこの世に現出する。

どんな原理だ!?

音楽魔法!?

音は土の槍となって襲いかかってくる。

俺はそれを剣で迎撃していくが、足を止めて迎撃している俺に向かって青白い炎が追加で襲いかかってくる。

鬼火? 人魂?

分からないが、今は手が離せない。


このままでは何も出来ずに食らってしまうが、動けないのは俺だけだ。

リッチーから放たれた鬼火はピュリオスが炎の魔法を放って相殺していく。

2種類の遠距離攻撃だけでも恐ろしいのに、そこに口頭詠唱によってさらに追加の魔法攻撃が飛んでくる。

三重遠距離攻撃……。

このリッチー、楽器を掻き鳴らしながらというふざけた戦闘スタイルだがその実力は本物だ。

でもな。

そっちが三重で攻撃してこようと、こっちは4人と1羽なんだ。

手数では負けてねぇ!


「アイスシールド!」


ユウキが氷の壁を作り出し、その壁によってリッチーが放った風の刃を防ぐ。

そして魔法を放ったばかりのリッチーに向かって駆け出す人影。


「でりゃああああああああ!!」


光る拳でリッチーに殴りかかるは我が妹のユイ。

本来ならば武闘家であるユイの攻撃はリッチーには痛痒を与える事は出来ないが、そこは神官戦士の腕の見せ所。

アリシアに聖なる光を付与してもらっているので、今ならユイの攻撃もリッチーに届かせる事が出来る。

一瞬、武闘家ならばと無視しようとしたリッチーだったが、アリシアの聖なる光を気付いて慌てて回避しようとする。

しかし、高位アンデッドとはいえ魔法職では武闘家の攻撃を躱しきる事は出来るはずもない。

どうやら魔法による障壁も張っていたようだがその障壁をぶち破り、リッチーの霊体の一部に攻撃を当てる。

よし、イケる!


「ふむ。どうやら、マンドラゴンナスを持つに足る実力を持っておるようじゃな。」


へ?

あ、そっか!

これってそういう試験だったな。

突然の事にびっくりしてその事が頭から抜け落ちていたわ。


「ほれ、好きなのを持っていくが良い。」


いつの間にか元いた場所へと転移していたが、これでマンドラゴンナスを手に入れる事が出来る。

紫の体色に小さなドラゴンのような見た目をしていて普段は地中に埋まっている。

それがマンドラゴンナス。

引っこ抜くと襲いかかってくるが、所詮は野菜だ。

簡単に仕留められる。


「それで良いかの?」

「はい。」

「そうか。では帰るのじゃな?」

「はい。」

「だが、今から下山するのはちとしんどいじゃろうし、どれ……わしが送ってやろうかの。」


リッチーが扇を放ると超巨大な物へと変化した。


「これに乗れば麓までひとっ飛びじゃ。」


俺達4人と1羽はお言葉に甘えて超巨大な扇へと乗ると、ふわりと浮き上がってリッチーの言う通り、そのまま霊峰Fu-ji山の麓まで飛んでいく。

色々と大変だったが、この景色は素晴らしいな……。

そして、俺達は無事に依頼を達成して……



はっ!

なんだ、今の夢……?

なんか縁起が良さそうな、そうでもなさそうな、独特な夢だったな。


「んっ、んーー、はぁ。」


さてと。

いつの間にか寝ていたみたいだけど、もう朝だ。

今日はアリシア達と初詣に行くって約束してるし、早く準備しないとな。

初夢での縁起物は一富士二鷹三茄子が有名ですが、その後に四扇五煙草六座頭と続くみたいです。

なので、無理矢理全部出してみました。

全部出した事で少々めちゃくちゃな感じになってますが、まあ所詮は夢ですから。

六の座頭は琵琶法師の事らしく、今回はリッチーに琵琶法師の要素を取り入れました。

世界観的にリュートのような物としましたが、普通に琵琶でも良かったかな。

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