第1341話 分かりやすい変化があればいいんだけど。的なお話
ちょい短め。
後、また投稿遅れてすみません。
膝枕から解放され、固まっていた体を伸ばしてほぐし、これまでにかかった時間を計算する。
俺の総魔力量は約2300。
これが多いのか少ないのかは分からないが、これだけの魔力が無くなるほどだからそれなりの時間垂れ流していたんだろう。
そこに1時間の気絶でそれなりの時間が経っている。
更に休息で1時間だから、多分三、四時間程かけてるから、全部一通り熟す場合、お昼までの間に3回ほどか。
辛いなぁ……。
って、あれ?
魔力回復に2時間というのはいくらなんでも早過ぎないか?
「あの、魔力回復にかかる時間、いくらなんでも早すぎませんか?」
「ああ、それなら蓮斗さんが危なくなった時にMPポーションを飲ませましたから。」
「いや、気絶寸前でどうやっ……」
そういえば、唇に何か柔らかいものが触れる感覚が……まさか……?
「実はこちらを使わせていただきました。」
「って、それ哺乳瓶じゃないですか!?」
「ただの哺乳瓶じゃありませんよ。容器部分が柔らかくなっており、こうして容器を押すと中身がこのようにピューッと噴き出すんですよ。なので、吸い出す力がない人でも飲ますことが出来るんです。」
「いや、肺に入ったら危ないですよねそれ。」
「ご安心下さい。特別なポーションなので体内に入れるとそこから魔力へと変換されて吸収されるようになっておりますので窒息する心配はありません。」
「無駄にすごいもん作ってますね!?」
「でもそのお陰で助かりましたよね?」
「……ま、まあ、そうなんですけど。」
「そろそろ魔力も全快になるでしょうし、特訓再開……と行きたい所ですが、まずはこれをどうぞ。」
「はい? これはなんですか?」
「お弁当です。そろそろお腹空きましたよね?」
「言われてみれば……。」
「腹が減ってはなんとやらです。まずは腹拵えをしましょう。」
「そうですね。」
そうしてひとまず休憩の延長をしてお昼タイムになる。
でも特訓の後にはまたお昼を食べるんだよね?
そう考えるとなんか違和感あるな。
個人的にご飯は3回ってイメージなので。
ちなみにアリシアさんのお弁当は当然のごとく美味しかったけど、どこか懐かしいものだった。
なにせ、日本のお弁当のど定番みたいなメニューだったからな。
弁当箱の下段にはふりかけご飯、上段には卵焼き、ミニハンバーグ、少量のミートスパにきんぴら、ミニ海老フライ、ポテトサラダというこだわりっぷり。
懐かしくてちょっと泣いた。
そんなお昼ご飯の後は再び特訓。
魔力を垂れ流すお薬を再び飲み、そして気絶するまで魔力を垂れ流し、また膝枕をされるというサイクルを3回、途中におやつ休憩を挟んでひとまず特訓は終了。
セフィア達のお昼ご飯を食べて、馬車が動き出す頃にまた迎えに来てくれるとの事。
途中で休憩を挟んだとはいえ、精神的にかなりきつい特訓だった。
おまけに成果もさして上がってないというから尚のことね……。
そりゃまあ、そう簡単にホイホイ結果が出れば誰も苦労しないというものだろうけど、ここまでやれば少しはと思ってしまうじゃないか。
はぁ〜、この後また特訓か。
辛いなぁ……次はもう少し分かりやすい変化があればいいんだけど。
蓮斗君の唇に触れたものが、果たして本当に哺乳瓶だったのだろうか……。
その答えは神のみぞ知るという事で。