第1332話 これは本当に極楽だわ〜。的なお話
最近なかなか手が進みません。
スランプなんて言えるほど才があるわけじゃないので言いません。
単純に実力不足なんでしょうね。
とまあ、そんなわけで遅れました。
宿へと帰りお昼ご飯を食べる。
そして風呂、温泉だ!
正直言って、帰ってきた時にセフィア達と会って、その時に「あれ? 温泉行かなかったの?」と言われた時はガチで凹んだ。
俺だって、のんびり温泉に浸かりたかったさ。
でもさ、蒼井とアカネに呼ばれたんだから仕方ないだろ……。
結構大事な事だったしさ。
さっきアカネから貰った甚平を用意して、他には温泉にたくさん浸かるつもりだから飲み物も用意しておく。
汗かくだろうから塩分糖分をちゃんと摂らないとね。
あ、そういえばいつだったかに作ったポ◯リ擬きがあったな。
これにしよう。
準備も終えたしいざ温泉へ!
周囲の確認、周りに敵影なし。
また邪魔されたらたまったもんじゃないからな。
いやまあ、大事な用事とかなら普通に応対するけどさ。
午後は無事に何事もなく温泉へと辿り着く。
そして1時間のお掃除タイムとの事なのでしばし待機する事に……。
まだ、入れないんですか……?
ここまで邪魔されてばかりだと大いなる意思の存在を感じるレベルだよ。
そんなに俺を温泉に入れたくないというのか?
「お待たせしました。どうぞお入りください。」
「もちろんですとも!」
1時間も待たされた結果なんか変なテンションになってるけど、気にしない。
この1時間、また何かあるんじゃないかってヒヤヒヤもんだったんだからこれくらいは許してほしい。
服を脱ぎ、タオルを持って温泉へ。
まずは体を洗うのがマナー。
2度ほど外に出ていたし、1回目の蒼井の所のは骨董品店だった事もあって少し埃っぽくなってそうだし、他の人の迷惑にならないようちゃんと洗う。
そして温泉へ。
まずは手近な所に……あっつ!
ここのお湯温度高っ!
ここはやめておいて別のにしよう。
ん?
サウナ?
そういえばなんかサウナをやると【ととのう】とかいう特殊な感覚を覚えるらしいな。
いっちょやってみますか。
戸を開ければむあっとした熱気が襲ってくる。
お風呂文化のあるこの国でサウナがあるのは不思議な感じだけど、どうせこれもどこぞの異世界人が持ち込んだりしたんだろう。
ロウリュ? だっけ?
この石に水をかける仕様の奴。
これとかまさに異世界から持ってきた文化って感じだし。
石に水をかけて水蒸気を発生させてから適当な場所に座る。
上の方は熱気が溜まるから初心者の俺は下の方……なんだけど、なにこれ、暑すぎない?
それでも我慢してるけど、その我慢もすぐに限界を迎える。
あ、これ無理だわ。
暑いを通り越して熱いもん。
こんな所に長時間もいられない。
わずか5分でリタイアしてサウナの外へ。
そして一応水風呂に入ってみたが、熱せられた身体が冷やされる爽快感はあるものの、【ととのう】と言えるほどのものは感じられない。
「ふぁ〜……あー、気持ちいい〜。」
俺にサウナは早かった。
まあ、あれだよね。
人間は歳をとると温度変化に対する感覚が衰えるって言うし、逆に言えばまだまだ若い俺はサウナの温度変化に敏感だから長居出来ないって事だよな。
俺が我慢出来ないんじゃない。
そういう事にしておこう。
それよりも、俺としてはやっぱり普通の温泉の方がいいな。
この全身を温かさが包み込む感じがいい。
後、入った瞬間に出すあ〜って感じの声。
あれも存外気持ちいいものなのだよ。
後は、夜景とかもあればいいんだけど、今はまだ日は昇っているのが残念だけど、まあ、日の高いうちから入る温泉もいいものだよ。
ジュース片手にのんびり温泉。
これは本当に極楽だわ〜。