第1330話 無事に確保出来て良かった。的なお話
昨日は楽しかったな。
そして、ヒノモトに居られるのも今日だけか。
「明日帰るわけだけど何かやり残したことってない?」
「そうだなぁ……お土産は足りてるっけ?」
「え? うーん、そういえば昨日お土産になるものを探していた際に男連中には適当にお酒でも買っていけばいいかって考えたけど、結局まだ買ってなかったな。」
「あー、まだ買ってなかったねぇ。」
「買いに行く?」
「そうするか。4人はどうする?」
「暇だし、行こうかな。」
「ん。行く。」
「私も行きます。」
「私は家族へのお土産を買いに行きたいから別行動させてもらうわ。」
「分かった。でも気をつけろよ? なんならお酒買った後に一緒に行くか?」
「別にいいわよ……そんな時間をかけるつもりはないし、お土産って言ってもすぐに渡せるわけじゃないから実際は輸送を頼むし。だからその手続きなんかもあるから、待たせる事になって申し訳ないし。」
「俺は気にしないが……まあ、アカネがそう言うのなら分かったよ。」
というわけでいつもの4人でお酒を買いに。
といってもヤマトの酒なんてほとんど飲んだ事ないだろうから買うのは未来一択なんであっという間に終わってしまった。
未来は初めてヤマト酒を飲む人がこれからも飲んでくれるように、好きになってくれるようにって事で飲みやすく買いやすいって話だからな。
お土産にはぴったりだ。
「もう終わったな。さて、これからどうする?」
「んー、そうだね。じゃあ帰って温泉を満喫しようかな。もう入り納めになるし、当分は入れないだろうからね。」
「あー、それもそうだな。俺もそうするよ。」
グラキアリスにも風呂や公衆浴場とかはあるけど、温泉って感じじゃないもんな。
日本風の温泉があるのはヤマトだけだし、今日は温泉制覇でも目指してみようかね。
宿へと帰り、準備を済ませていざ温泉へ……って時に蒼井に呼び止められる。
「あ、風見。丁度いいところに。ちょっと付き合いなさい!」
「は? いや、今俺温泉に入ろうと思っていたところなんだけど!?」
「それどころじゃないわよ! 見つかったのよ、あれが!」
「あれ? あれってなんだよ!?」
「魔法銃よ!」
「は? え、見つかったの!?」
「そうよ! でも高くて手持ちじゃ買えなくて……だからあんたを待ってたのよ。装備の拡充はパーティ資金の範囲内でしょ?」
「それはまあ、そうだな。」
「でもいつ売られるかも分からないし、急ぐわよ!」
「あ、ああ、分かった。」
蒼井に引っ張られる形で魔法銃が売られている場所へ。
「おい、本当にここなのか?」
「そうよ。最後だからと一応骨董品店なんかも探してみたら、見つけたの。ほらこれ。」
「……それっぽいな。」
「でしょ?」
本物なのか、それにちゃんと使えるかは分からないが、見た目は蒼井の持つ魔法銃によく似ている。
蒼井の持つ魔法銃は黒いのに対して、ここで売っているのは青い。
鑑定してみたところ、一応本物みたいだな。
相変わらず鑑定の精度が微妙だけど……。
なんだよ、魔法の弾でドーンって……子供の説明かよ。
「で、値段は……って、高っ!」
お値段まさかの250万リム。
更にカートリッジは関連していてもセットだとは思われていないらしく別枠になっていて、それも含めれば310万もする。
「宿代浮いてて良かった……あのレベルの宿に自腹でずっと泊まっていたら一体いくらになるか分からないしな。」
「そうね。」
まあ、何はともあれ、高額商品なのが功を奏したのが、別の人に買われる前に無事に確保出来て良かった。




