第1325話 売ってるといいな。的なお話
遅れてすみません
もう作者の中の露店屋台の引き出しがすっからかんで、ネタ出しに時間がかかり遅れました
今日は朝から遊びに出かける。
だからだろう。
テンションが無駄に高い蒼井に起こされた。
お前、これ、まだ日が出たばっかじゃねーか……こんな時間に起きてるのは農民かパン屋くらいだろうに……。
どんだけ楽しみにしてたんだよ……。
早起きさせられて朝食が来るのを待たされた後、それぞれ着替えたりおめかししたり、変装したりして準備を整える。
いや、変装するのは俺だけなんだけどね。
ヤマトは日本に似た文化を持つという事もあっていい国なんだけど、これだけは不便だなぁ。
カツラつけてると何かの拍子で取れるんじゃないかって時々不安になるし。
「準備出来た!?」
「だからテンションたけーよ! 少しは落ち着け。」
「だってしょうがないじゃない……昨日からずっと楽しみだったんだから……。」
「気持ちは分からないでもないがな。」
暴れ馬の如く暴走しそうな蒼井を制御しながら街中へと繰り出す。
後少しで見納めというのはなんとも寂しくもあり、感慨深くもあり……って、待て蒼井!
勝手に動くんじゃない!
「見て見て! 木彫りのクマよ木彫りのクマ!」
「マジか!?」
木彫りのクマ。
それはお土産の定番であり、そしてもらった方はどうしたらいいか迷うというある意味でお土産の王道ともいうべき代物。
なんかひっそりと玄関に鎮座してたりする木彫りのクマ。
それが売られているらしい。
そんなの、テンション上がってしまうじゃないか!
まさか異世界で木彫りのクマが見られるなんてな。
しかもど定番の鮭を咥えたクマだ。
よし、クルトへのネタ枠として1つ買っておこう。
それと自分用にも買っておこう。
別に特別欲しいわけでもなければ飾る予定とかがあるわけじゃないけど、でもこういう旅先で買って、後でなんで買ったのか分からないっていうのも旅の楽しみだよね!
修学旅行の木刀とかさ。
蒼井が変な物を見つけて速攻で脱線したが、それは置いといて。
いや、便乗した俺も俺なんだけどさ。
というわけで改めて露店巡りを再開。
といっても見慣れた物も多いんだけどね。
それでも時々さっきみたいな事があるから侮れない。
ん?
木彫りといえばまだ御守り渡してないような……やっべ。
細かな時間にちょくちょく塗って完成させたはいいけど、忙しくて渡す機会を逸してそのまま忘れてた。
うん。
今渡そう。
何で今!? とツッコまれそうだが、今渡さないとまた忘れる気がするし。
「そうそう。これ完成してるからみんなに渡すね。」
「なんで今!?」
「今思い出したからだ。」
やっぱり言われたよ。
とはいえ、やっと渡せた。
これで心の重荷が……あ、そういえばこれ買ったのコハルさんに会う前だったし1人だけ寂しいことに……。
「ごめん。これヤマト来る前にみんなで買った奴を染色したものなんだ。だからコハルさんの分は無いんだけど……あの、これいる?」
「いえ、それは流石に……。」
「だよね〜。」
俺も代わりにと木彫りのクマを渡されそうになっても断るだろうし。
そんな一幕は置いといて、露店巡りの続きだ。
特に何も考えず見るのもいいが、最後だしお土産を選ぶっていう基準で見ていくのも悪くない。
これまでにも幾つかお土産になるものとかを買ってきたけど、幾つあっても問題ないし、もらう側としては……心苦しい!
数が多すぎても困るよね!?
ま、まあ、数をたくさん用意して欲しいのを貰って貰えばいいよね?
そんなわけでお土産を買うっていう視点で見て行こう。
とは言った……いや、考えたものの、すでに祭りが終わってそれなりに経ってる関係でお土産になりそうな物を売ってる店が少ない。
無いわけじゃないけど、少ない。
時間とか場所が関係してるのかな?
食べ物系ならたくさんあるんだけどねぇ……。
「あ、焼きおにぎり!」
「うわ、この匂いはたまらんな」
いや本当に、もぐもぐ、食べ物系は多いんだよ。
うん、やっぱり焼きおにぎりは醤油だな!
さて、次はどんな美味しいものが……じゃなくて、次こそはお土産になりそうなものが売ってるといいな。
木彫りのクマとかもう完全に迷走してます……露店で勝負するような品じゃねーw
でも浮かんだのがそれくらいだったんです……




