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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第八章】真・アクリアでの話
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第1324話 早く風呂に入りたいぜ。的なお話

昨日はすみません。

睡魔に負けて頭が働きませんでした。

ヒサギさんの部屋で待っていると、お茶と茶菓子を持ってヒサギさんが戻ってきた。


「それで、今日はどうしたのだ?」

「ああ、そろそろグラキアリスへと帰ろうと思ってね。それで挨拶回りをしているところ。で、ここがその最後ってわけ。ちなみに、他の所は半分くらい居なかったりした。」

「突然の事だしそうなるのもおかしくはなかろう?」

「そうなんだけどね。」

「しかし、寂しくなるな。」

「あ、それはアルフレッドにも言われた。あいつはホムラの所についていくからヤマトを離れるのって俺だけなんだよな。」

「ならば残るか?」

「いや、向こうに残した人が居るからな。帰るさ。」

「そうか。ところで、先ほどから気になっていたのだが、こちらの女性はどちら様かな?」

「道に迷った俺を案内してくれた奴だ。」

「道に迷ったのか?」

「いやー、大名の家がある辺って道ややこしいじゃん? どこも似たような家ばかりだし。それに、あの辺に行った事あっても大体が馬車に乗ってたから全然道なんか分からないんだよ。」

「ならば貸馬車なり人を雇うなりすれば良かったではないか。」

「それもアルフレッドに言われた。まあ、今更だけどな。」


同じ会話が出るのもおかしくはないのだが、一纏めに出来ないかなと思わなくもない。

同じ説明をしてるとゲシュタルト崩壊しそうになるから。


「そういえばヒサギさんの仕事ってなんなの?」

「ん? 警邏隊だが? 言ってなかったか?」

「聞いてない。というかそんな仕事してたのか……通りで戦えるわけだ。」

「手も足も出なかったがな。」

「そんな事ないと思うけどなぁ……多分素手で戦ったら俺負けると思うし。」

「それとこれとは別だろう。」

「そうだけど、そもそも専門が違うんだしどっちがとか言うだけ無駄だろ。」

「それは確かにあるな。警邏隊という職は基本は捕縛だからどちらかというと護りの方が得意だな。」

「その辺は真面目なヒサギさんに合ってると思うな。俺は割と適当だからな。冒険者の方が多分合ってる。」

「それはどうかな? 存外上手くいくのではないか?」

「それはどうかな? 存外上手くいかないのではないか?」

「真似をするでない。」

「あははは。」

「ふふっ。」

「さて、それじゃあ俺は帰るよ。」

「何? もう帰るのか?」

「色んなところを回って結構時間掛かっちゃったからな。それに、こいつを送らないといけないし。」

「それならば仕方ないか。」

「あ、そうだ。忘れるところだったけど、これ。一応手土産。」

「ふむ、確かに頂いた。」

「じゃあ、今度こそ帰るよ。」

「そうか。そういえばいつ頃発つ予定なのだ?」

「3日後の予定だ。」

「3日後か……見送りをしたかったのだが、その日は朝から見回りだな。」

「それは残念。なら、今日でお別れだ。またいつか会おう。」

「ああ、またいつか。」


ヒサギさんと握手を交わしてまた会う約束をする。

いや、これは約束なのか?

いや、俺が約束だと思ってるんだしこれは約束だ。

それに、ただの別れの挨拶にするつもりはないし、自分に誓えればそれでいいさ。


「蓮斗にもああいう友人が居るのだな。」

「なんだ藪から棒に。」

「いや何、女にばかり囲まれておるからの。少し気になっただけよ。」

「そうかい。それはそれとして、ミコは見送りには来れそうなのか?」

「さての。それはその時の気分次第じゃな。」

「そうかよ。ま、別にいいけどね。またこの国に来るし。」

「また来るのを待っておるよ。では、妾はここら辺で帰るとするかの。ここからならば蓮斗1人でも帰れるであろう?」

「いやいや、送っていくよ。」

「それで帰りに迷子になるのが目に見えておる故要らぬよ。」

「ぐっ……。」


痛いところを突いてくる。

女の子を家に送ったら迷子になって自分は帰れませんでしたじゃ笑い話にもならん。


「仕方ないか……。じゃあ、また。」

「うむ。」


手を振ってミコを見送った後、俺も帰路につく。

もうすっかり日も暮れて来たな。

なんだかんだ歩きっぱなしだったし、早く風呂に入りたいぜ。

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