第1320話 マジで美味かったです。的なお話
昨日はすみません。
なんか知らないけど、全っ然話が浮かびませんでした。
それで1文字も書けませんでした。
絶賛蚊帳の外な俺は、話に入れず暇だと言わんばかりにあらぬ方をぽけーっと眺めている。
まあ、実際に暇なんですが。
口を挟める雰囲気じゃないし存在空気になってるくらいしか出来る事ないんだよ。
「さ、さて、妾の疑問は晴れたし、レントよ、後は好きにするが良い。」
俺のぽけーっとした様子に気付いたミコが慌てて話を終わらせてこちらに回してくる。
その顔はやっちゃったーって感じ。
「好きにといっても、もうする事もないんですけどね。キリハさんは体調が優れないみたいですし、その状態で会うのは控えた方がいいでしょうし。」
「そ、そうですね……。では、私は先の事を娘に報告しようと思いますので、今日はこれで……。」
そういって気まずそうにキリカさんが部屋を出ようとして……。
ん?
どうしたんだ?
「と、そういえばまだ聞いていませんでしたが、そろそろ帰ると言ってましたが、帰る日は決まっているんですか?」
「一応3日後を予定しています。状況によっては多少ズレる可能性はありますが。」
「3日後……教えてくれてありがとうございます。斬葉にも伝えておきます。」
そう言うと今度こそ部屋を出て行った。
「さて、それじゃあ俺達も行くか。」
「うむ。次はどこに行くのだ?」
「ミウラさんの所に行きたい所だけど、そろそろお昼だからな。だからまずは腹ごしらえだな。」
「ならばいい店を知っておる。案内は任せておけ。」
「そいつは頼もしいな。」
リュウガミネ家を後にしてミコが言ういい店に向かう。
しかしそのいい店というのが、どういうわけか大名さん達の家々が並ぶ場所からどんどん離れて行っているんだけど、どういう事なんだろうな?
いや、そういう地域から離れているってだけなんだろうけど、こいつはこんなんでも一応帝様。
この国のトップ!
それがそんな店を知っている事自体おかしいというか、警備の人達ちゃんとしろよというか……そんな気分になるというか……。
そんないい店があったのは職人街と呼べるであろう地域で、今がお昼時という事もあり作務衣姿の人がそこら中にいる。
貧民街とまでは行かないまでも、どう考えても上流階級とは無縁そうな地域だ。
「ここじゃ。ここの料理はどれも絶品じゃぞ。」
そんな俺の疑問にも気付かず、周りの雰囲気もどこ吹く風とばかりに店の中に入っていく。
周りいかついおっさんがいっぱいなのに全然物おじしないのな。
「いらっしゃい!」
「2人じゃが、席は空いておるかの?」
「それなら丁度2人用の席が空いた所だぜ。そこでいいか?」
「うむ。問題ない。」
席の確認も随分と手慣れているし、やはりよく来るらしい。
「なぁ、お前、こういう所よく来るのか?」
「ん? 時々の。」
「そういう割には随分と手慣れているようだけど……。」
「まあ、週一くらいで変装しての視察をしておるしな。」
「ああ、そういう事。街の様子を知るのも為政者として必要だしな。」
「それと週に2日ほど抜け出しておるな。」
「なんで抜け出す方が多いんだよ……。せめてそこは仕事の方が多くあってくれ……。」
こいつが本気になったらどうしようもないだろうけど……もう少し頑張れよ警備の人……。
「それよりもほれ、品書きじゃ。ここは小鍋料理がウリじゃからそこから選んだ方が良いぞ。」
「あ、うん。そうなんだ。」
もう考えるのはよそう……考えた所で止められるとは思えないし。
料理はミコが絶品と言うだけあって、マジで美味かったです。