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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1250話 あの枠手動だったのかよ。的なお話

3人はどうするかな? と思って見てみたらまずはアデルがやるみたいで既に支払いを済ませていた。


「せいっ!」


掛け声1つ。

アデルが転がした球は回転する枠に弾かれて一旦宙に浮き、そして緑の枠の中に落ちた。

ちなみにアデルの指示された色は赤青オレンジだ。


「あー、枠に当たらなければ入っていたのに。」


悔しがりつつも次々と球を転がしていき、赤、緑、白、紫の枠に入った。

全部枠に入ったのはすごいけど、ダブりもあるし何より指示の色は1つだけだから結果は俺と同じ1色だな。

実を言えばアデルからはリリンと同じ匂いというか、持っている人のような感じがしていたからなんだかんだでいい結果を出すと思っていたので、このけっかにはちょっとだけホッとしていたりする。

嫉妬するのは見苦しいとは思うんだけど、やっぱり悔しいし羨ましいからね。


「次私がやるっす!」


次にやるのはアイリスさん。

指示された色は黄、白、黒。

1つ届かず、2つ弾かれ、4投目で黒に入ったが5投目はオレンジに入ったので結果は俺やアデルと同じ1色。


最後はリナさん。

えいっ! と可愛らしい掛け声をしつつ転がしていく。

でもリナさん、それなりに戦えますよね?

それなのにえいって……いや、可愛いから別にいいんだけどね。

そんなリナさんは1投目は届かず2投目は強すぎ、3、4投目は枠に嫌われ5投目でやっと枠の中に入るも指示された色ではないので結果としては0だった。


「お揃いが良かったのに……。」


アデルもアイリスさんも俺に合わせてなのか景品は箸を選んでいたから、景品がもらえないリナさんだけ仲間外れになる。

もしくは結果が一緒じゃないことを嘆いているのかもしれないが、どちらにせよお揃いではないな。


「おじさん。もう1回お願いします。」

「おう。」


とにかく1色だ。

1色入ればそれでいい。

指示された色は残念ながら今回もオレンジなし。

狙い易いのは枠の端に位置する赤、ピンク、黄、白。

そして指示された色は緑、紫、赤。

回る枠の形は正方形だから、1番手前を回るタイミングを見計らって……ここだぁっ!


ーーガッ!


うん。

知ってた。

そんな1回目で上手くいくなんて思ってないよ。

俺、そんな星の元に生まれてないもん。

3回目でようやくお目当ての赤に球が入ったのであとはもう適当に、なんだったら絶対に届かないどころかジャンプ台すら越えない力で転がしたまである。


「勿体ねーなぁ。まだ狙えただろ?」

「いえ、狙い通りなんで。はい、リナさん。これで4人お揃いですよ。」

「あ……ありがとうございます! 大切にしますね!」

「そんな高いものじゃないとは思いますけどね。」

「いや、俺の前でそれを言うのはどうなの?」

「あ、すみません。」

「まあ、確かにそこまで高い品じゃないけどさ……。」


失言だった。

確かにこういうことはせめて本人のいる前では言わないよう気にするべきだった。

本人がいなかったらそれはそれで陰口になりそうな気もしないでもないが、馬鹿にするつもりはないのでそこはご愛嬌ってことで。


俺達がこうして楽しげに遊んでいる姿が周りの祭りを楽しんでいる人達を惹きつけたようで、何やら周りが騒がしくなってきた。

知らず知らずのうちに客寄せをしてしまっていたみたいだな。

俺はもう満足したしみんなも1回やったからか別の場所に移動することに異論はないみたいなんで、最後におじさんに一声かけてから出店の前から立ち去る事にした。


「お、親方……そろそろ、腕が限界で……。」

「何ぃ……ったく仕方ないな。もうすぐ他のやつが来るからそれまでの辛抱だ。頑張れ!」

「うひぃ……。」


おいおい……。

あの枠手動だったのかよ。

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