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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1232話 お昼までには終わるといいな。的なお話

演舞は2回あるしどの程度見せるべきかとか視点を変えるべきかとか考えながら書いていた所に、挨拶の話を入れるのを忘れていた事が発覚。

慌てて繋がりなどを確認し、考えた結果前話にぶち込むことを決定……と、そんなこんなで遅れました。

すみません。

『朝は日が上り、昼は街が活気付き、夜は静かに過ごす……そんな人々の日常がそこにあり、それがまた明日も、そしてこれからも未来永劫続くと思われていた。しかし、そうはならなかった。このヒノモトに大いなる災いが降り注いだのだから。』


ケンゾウさんがナレーションをする。

というか、意外とイケボも出せるんだな。

驚いた。


『闇夜を照らす黄金色の鱗を持つ龍がヒノモトに降り立ち街を破壊し暴れだす。それを良しとしなかったのが当時ヒノモトに訪れていた旅人一行。1人の若者は仲間に人々を助けるように頼み、1人龍へと立ち向かう。』


さて、出番です。


既にヒサギさんは舞台に上がっている。

そこに俺も向かい、練習した通りの動きをしていく。

1つ1つの動作をしっかりと、丁寧に。

指先1つにまで神経を張り巡らして見栄えを良くすることを意識して演舞をしていく。

そうしてヒサギさんと打ち合っていると、突然強い打ち込みが来る。

なんだ?

こんなの予定にはない。

ないが……この驚いた表情からして、力み過ぎて強くなり過ぎてしまったみたいだな。

緊張しているのかもしれないな。

俺も、ミスしないように注意しないとな。


ここで中間地点となりキリハさんが舞台に入ってくる。

まずは支援効果のある歌を歌いだし、それを守る為に俺は防戦一方となる。

しかしここで俺が衣装の裾を踏んで転んでしまう。

だが、ここで失敗したからと止めるわけにもいかない。

大事なのは演じきる事。

それに、転んだのが今で良かった。

ヒサギさんの攻撃を受けて弾かれるという動きの最中の事だったので、攻撃でバランスを崩したように見えるだろう。


すぐに起き上がって体勢を立て直す。

間髪入れずにヒサギさんが攻撃をしてくる。

これはアドリブだな。

でもそのおかげでより緊迫感のある演舞になっているだろう。

残念ながら今は観客の方を見る余裕がないので見れないけど。


この後は特に問題が起こる事もなく無事に終了した。

結局問題らしい問題は俺が転んだ事だけど、大名達の反応を見るにそれも特に気にしてる様子もなくて少しだけホッとしてる。

とはいえ、失敗は失敗だ。

次やる時はやらないように気をつけないといけない。


一度舞台から降りて舞台袖へ。

するとすぐにヒサギさんがやって来る。


「すまない。どうやら緊張していて力が入り過ぎてしまったようだ。」

「大丈夫だ。確かに稽古の時よりもずっと強かったがちゃんと受け止められたからな。」

「……もしかしてレントは……いや、なんでもない。」

「こっちもフォロー助かった。まさか裾を踏んでしまうとは思わなかったから……。稽古の時は問題無かったけど、やっぱり俺も緊張してたのかもしれないな。」

「そうか。次はお互い失敗しないように注意しないとな。」


何か言いかけたけど、なんでもないと言うのだから気にしないでおこう。

それよりも、ちゃんとフォローしてくれた事に対しての礼が言えてよかった。

こういうのはちゃんと言った方がいいからな。


「次は大名達との面会ですけど、何か気をつけることってあるかな?」

「基本的な所だと言葉遣いで注意が必要なんだけど、レントさんなら問題ないですよ。それに面会といっても人数も多いですし時間もありませんからそんなに気を張る事もないですよ。」

「それならいいんですけどね。」


まあ、今のところ会った事のある大名は良い人だったし、きっと大丈夫だろう。

でも300人か……。

お昼までには終わるといいな。

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