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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1184話 蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。的なお話

遅れてすみません。

普通に手が進みませんでした。

さて、気を取り直して、次はどこに行こうかね。

と言っても、それはフランの気の向くままになんだけど。


「あ、あれ美味しそう!」


次にフランが指差したのは何かの屋台。

なんの屋台かなと目を凝らしてみると売っているものの正体が分かった。

どうやらここは果物のジュースを売っている屋台のようで、その中でも特に白桃が人気があるようだ。

旬なのかな?


しかし、ジュースね。

普段飲んでるのは水の比率の方が多い果実水だけど、ここのはどうも果汁の方が多いみたい。

それだけ味も濃厚なんだろうな。

うん。

確かに美味しそうだ。

白桃もいいけど……俺は定番のアポーのにしようかな。

何故かは分からないけど時々リンゴジュースが飲みたくなる時があるんだよね。

で、今がその時。

アポーがあったからなんか無性にね。


俺はアポーでフランは白桃。

みんなもそれぞれ好みのジュースを買っている。

まずは一口。

リンゴジュースだ……味が濃いちゃんとしたリンゴジュースだ。

やはり果実水よりもこっちの方がいいな。


ジュースを飲みながらぶらぶらと街中を歩いていると、フランは落ち着きがないみたいにあっちへフラフラ、こっちへフラフラと歩いている。

お上りさん丸出しだ。

なんか不安だ。

当たり屋とかそういうのに引っかかったりしそうで目が離せない。


あ、ここで箸売ってる。

摘みやすいように工夫されてるし。

そういえば何かで五角形の箸がつまみやすいとかなんとか言ってたな。

まあ、ここには売ってないみたいなんでなんの意味もない情報なんだけど。

とりあえず全員分プラス予備とかお客様用も含めて25セットくらい買っておけばいいかな。

あ、菜箸も忘れずに買っておこう。

セフィア達が使うかは分からないけど、無いよりかはある方がいいからな。


箸を買えて満足した後に気付く。

目、離しちゃったと。

慌ててみんなを探すとすぐに見つかったが、少々面倒な事になってる。

みんながナンパされてた。

みんながかわいいのは当然だとして、フランはフランでアリシアさんそっくりという事もあり超美人さんだ。

そりゃナンパされるよ。

しかも封竜祭を控えているという事もあってワラワラとナンパは集まってくるだろう。

そりゃもう飴に群がるアリのように。

ナンパ連中にとってお邪魔虫な俺がふらっとどっかに行っちゃったもんだからこれ幸いにと声をかけたんだろうな。


「彼女達は俺の連れなんで、そこらへんにしてもらえません?」

「え、男連れ? って、1人だけ?」

「1人ですが何か?」

「いやいや、この人数を1人でって、それは流石にあり得ないだろ……なぁ?」

「あ、ああ……あの、本当に? 冗談でもなく?」

「当たり前だろ。こんな事嘘や冗談で言えるならそいつはよっぽどのアホだと思うぞ。」


1人や2人ならまあ、助けるために嘘で言えるかもしれないけど……10人オーバーだからね。

10人全員俺の連れなんだーって街中でハーレム宣言出来るのは本当にハーレム作ってるやつくらいだろう。

……なんか、改めて考えると色々とすごいな、俺。

いい意味でも悪い意味でも。


「で、でもそんなに居るんなら少しくらい……」

「は? お前、自分の恋人とか婚約者とかをちょっと貸してくれって言われたら本当に貸すの? 下心丸見えの相手に。」

「い、いえ……あの、すいませんでした。」

「相手が悪いよ……別のところ行こうぜ……。」

「あ、ああ、そうだな……あの目は人を殺してる目だった……。」


俺、そんな目してたの?

盗賊を返り討ちにした事はあったけど……でもそんな好き好んで殺したりしないよ?

そんな反論をする暇もなく、ナンパ男達は蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。

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