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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1136話 向かない場所なんだな。的なお話

三次試験は明後日。

なので自由に使える時間は2日だけという事になる。

その2日間で何をするかだけど、明日は試験前日なのであんまり疲れるようなことはしたくない。

つまり、疲れるような事をするのなら今日しかないという事。


「というわけで、この周辺の魔物とか見に行きたいと思います。」

「何がというわけなの?」

「いやさ、明後日から三次試験じゃない?」

「そうだね。」

「三次試験は1週間使って英雄演舞の練習をするわけだからその期間は自由時間が無いわけ。その試験で落ちたなら何も問題はないけど……いや、宿の問題はあるかもだけど。もしも合格した場合だと多分まだまだ練習は続くと思うんだよ。」

「まあ、たった1週間練習しただけで即本番なんていうのは流石にありえないよね。」

「だろ? つまりだ、受かった場合だとかなりの期間拘束されるわけじゃないか。そうなるとヒノモト周辺の魔物とか見ることが出来るのは今日だけって事だ。」

「確かにそうなるだろうけど……わざわざ見に行く必要があるの?」

「必要性は無いけど、まだヤマトの魔物なんて鬼と鵺くらいしか見てないからな。他にもいるのか、いたらどんなのかっていうのは知っておいた方がいいだろう?」

「そうなんだろうけど……。」

「嫌か?」

「嫌じゃないよ。でも、他のみんながどうするかなって……人数が少ないのは流石に危ないと思うからさ。」

「大丈夫だって。必殺の殺し文句もあるから。」

「そうなの? それってどんな?」

「体を動かさず今まで通りの分量で食ってるとすぐに太るぞっていうの。」

「あ、うん。それは絶対に行くね……。」


まあ、ヤマトの料理は和食に似た物も多いし、そうかると結構ヘルシーだとは思うけど、冒険者として活動している時と同じ量食べて、それでいて冒険者活動せず街でのんびり遊び呆けていたらいくらヘルシーとはいえ流石に太るだろう。

実際にこれまでにそういう奴を何人か見た事ある。

部活やってた奴が引退して高校受験に向けて勉強を始めたはいいが、運動しなくなってあっという間に顔が丸くなってたりな。


魔物見学に行こうとみんなに提案した所、何人か……主に蒼井が。

他にも難色を示していたりもしたけど、殺し文句とその理由を懇切丁寧に教えてあげた所、みんなやる気になってくれた。

みんな女の子だもんな。

そりゃ必死にもなる。


一応ギルドに赴き、常設依頼とかないか探してみる。

あるにはあったが、薬草採取、ゴブリン討伐、オーク討伐なんかの定番なのと小鬼討伐、餓鬼討伐というらしいといえばらしいものがあった。

まあ、ランク指定されてるから全部受けられないんだけど。

一応買取くらいはしてくれるだろうけど、わざわざ狙う程のものじゃないし。

というか、狙っちゃうと新人さん達が困るから襲われない限りは倒すべきじゃないな、こりゃ。

見かけても遠くから眺めるくらいが丁度いいか。


街の外に出て魔物のいそうな場所に向かって進んでいくが、ヒノモト周辺はかなり拓かれているから結構歩く必要がある。

見晴らしが良ければ何かあった時に気付きやすいし、軍や兵を展開しやすい。

そして森がなければ魔物も隠れることができないので自然といなくなるといい事づくめ。


だけど、それは街の防衛を考えた時の話で、今の俺達のように魔物を探す場合だと不便でしかない。

必要な事なのは分かっているし、その有用性もきちんと理解できる。

でもなぁ……ただ魔物を探しに行くだけで馬車で移動しないといけないのはちょっとな。


カインやリステルの方も拓けてはいるけど、ここまでじゃない。

せいぜい防衛しやすくするためで、馬車を使わなければならないほどじゃない。

まあ、出番がもらえたからなのかアルバとマロンは機嫌がすこぶるいいけど、それが無ければ冒険者にとってはデメリットでしかないよな。

国としてはメリットしかなくてもさ。


そうして暫く馬車を走らせてようやく魔物が隠れられそうな森の辺りにまでやって来られた。

ギルドに行ったり、馬車を取りに戻ったり、街を出るまでと街を出てからの移動なんかで宿を出てから2時間くらい経ってるよ。


やっぱり国の中心地というのは冒険者が拠点にするには向かない場所なんだな。

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