第1108話 無事にヤマトの京に入れたわけだな。的なお話
予想外に早く着いたが、まあ、何か困るということは無い。
無いけど、驚きはあるよね。
ステータス見たらなんかレベルとか高そうだけど、見るの怖いから見てない。
馬じゃなくなってたらどうしようって感じで。
とりあえずこの考えはどっか心の隅っこにでも放って置こう。
門の前に並び京に入る準備をする。
門のところに並んでいる人が居る。
追い越されたりしてないから人が居るのが意外だけど、格好を見る限りどうも俺達みたいに街の方からやってきたわけじゃないようだ。
なんていうか、農民みたいな格好してる。
というか農民なのかもしれない。
荷車とか引いてるし。
「祭りはまだなんかい?」
「英雄役候補の人が集まってきてるしそろそろなんじゃないか?」
「そうかー。」
前の方で農民さん達と思われる集団が門番さんに祭について質問してるが、そうか。
集まるほどには英雄候補っているのか。
こりゃますます俺が選ばれる確率が減るな〜。
いや〜参っちゃうな〜。
「では次の方。」
農民さん達が京に入っていき、俺達の番になった。
「馬車に乗っている者も全員出てきてくれ。」
人数が増えた為馬車の中に物は積んでない。
なので馬車の中はちらっと確認だけで終わり、後は人の確認となるがここでユキノが一歩前に出る。
「英雄役候補勧誘員のユキノです。英雄役候補を連れてきました。」
「ふむ。という事はあの者が英雄役候補という事かな?」
「はい。」
「分かった。ではお二人に関しては検査は必要ないですね。あちらの方で英雄役候補の方に説明をしたいと思いますが、よろしいですか?」
「はい。構いません。いいよな?」
「あ、うん。いいけど、説明って、なんの説明ですか?」
「京のルールは勿論だが、英雄役候補の今後についてです。」
「分かりました。」
というわけで詰所の方に向かうのだけど、いくら英雄役候補にその勧誘員だからって検査も何もしないというのは無用心過ぎやしないか?
「京のルールについてはご存知ですか?」
「簡単に説明はしてもらってます。」「ならそちらは省きますね。それで、英雄役候補の方の今後の事についてですが、まずは役所にて京に着いた事を報告してもらいます。そこで宿の手配を行うのでその宿に宿泊してもらいます。お仲間の方達についてですが、ご一緒に宿泊してもらって大丈夫ですのでそこは安心してください。次に、おそらくそう日は経たないでしょうが、役所の方から使者がやってくると思います。その使者から試験についての詳細が説明されると思いますので、その説明と指示に従っていただきます。試験期間中の無用な外出は控えていただきます。試験が終わり結果が出ればまた使者が訪ねますのでその時にそこから先のことは質問していただければと思ってます。」
「試験後の事ですけど、今説明してもらえないんですか?」
「試験に受かるかどうかで変わってきますので。」
「それもそうですね。」
「と、向こうの方も終わったようですね。では改めて、ようこそヤマトの京、ヒノモトへ。」
日の本……か?
ヤマトだけならまだしも、日の本まで出てくるとなると、もしかしてヤマトを作ったのは日本人か?
少なくともヤマトを建国した時に日本人が関わっていたのは間違いないだろう。
いくらなんでもヤマトと日の本なんていう単語が偶然出てくるとは到底思えない。
「あ、そういえば皆さんは武器を携帯する際に使用する袋はお持ちですか? 無ければ詰所で販売してますがどうしますか?」
「……自前のがあるので結構です。」
「そうですか。」
商売してんなよ!
袋に入れなければならないが袋を買うには街の中に入らなければいけなく、その結果街中を武器を出して歩く事になると思っていたけど、その解決法がそれかよ!
商売するくらいなら貸してくれればいいじゃないか!
むしろ制限する側なんだしそれくらいしろよ!
……まあ、何はともあれ、無事にヤマトの京に入れたわけだな。
最初は京の名前をムサシにしようかなと考えたんですよね。
大和型戦艦かよ! と突っ込ませようかなって。
でも、ムサシが街の名前というのもどうかと思いヒノモトに。
ヒノモトも安直ですけどね。




