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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1059話 多分それがいい。的なお話

最後の方で少し時間がかかり遅れてしまいました。

すみません。

「ちょっと、何負けてんのよ!」

「すみません、アザミさん。彼、すごく強くて……。」

「アザミ?」

「何よ? どうせユキノから聞いてるんでしょ?」

「いや、ユキノはアサミって言ってたから……。」

「なっ!? わ、私の名前はアザミよ! 何度も名乗ったのになんで間違えてるのよ!」

「そんなの俺に言われても知らねーよ。」


そもそもなんで何度も名乗ったんだろうか?

まあ、いっか。


「ほれ、それよりも散った散った。腕をぐっちゃぐちゃに出来なかったのは残念だけど、賭けは俺の勝ちだからな。敗者は黙って去れ去れ。」

「ぐっちゃ……き、君は随分と恐ろしい事を考えていたんだね……。うん。それじゃあ、またね。」

「は? また!? ちょっ、お前何言ってんの!?」


またってなんだ!?

しかし俺が散れと言ったからか、それともただ単に自分が潔く去ると言ったからか。

それは分からないけど、男は颯爽と……あ、違った。

普通に立食パーティーに戻ってる。

でも目の前からは消えた。


「で、お前はどうすんだ?」

「ふん! 帰ればいいんでしょ、帰れば! それと、ユキノ! 私の名前はアザミだから! 間違えないでよね!」


そう捨て台詞を吐きながらアザミは帰っ……って、お前もか。

いやまあ、折角の立食パーティーなんだしすぐに帰るのは嫌なんだろうけど、それだと帰るって、立ち去るって言うのかな?


「びっくりしたね〜。でもこの場にルナちゃん居たら大変だっただろうし、留守番しててよかったね。」

「あー、そうだな。まさかあんな奴が現れるとは思わなかったよ。」

「でもさ、もしも相手の方が強かったらどうするつもりだったの?」

「どうするも何も、負ける気はしなかったからな。」

「負ける気がしなくても、向こうのほうが強いって可能性だって十分あったと思うんだけど?」

「そん時は殺気を叩き込んで怯んだ隙に強化魔法とか身体強化とか使って倒すつもりだった。まあ、そんなこと考える必要もないくらい瞬殺だったけど。そもそも、ルール自体ガバガバだし向こうも技術もへったくれもなく腕の力だけしか使ってなかったからな。あんなの負けようがないさ。」


それにしても、またってどういうつもりで言ったのだろうか?

もしかしてあいつがアザミの選んだ英雄候補なのか?

でもあいつ茶髪だったしなぁ……うーむ。

分からん。

分からんが、また絡まれても面倒だしさっさと部屋に戻るか。

お腹は十分膨れてるしな。


「ただいま。」

「おかえり。楽しかった?」

「どうだろうな? 変なのに絡まれたし。でもご飯はどれも美味しかった。」

「そう。それは、良かった、ね。」

「おう。それよりも、ルナは夕食どうしたんだ?」

「まだ、食べてない。もう少し、したら、食堂に行こうかなって、思ってるよ。」

「なら丁度良かった。実はこっそりと料理を持ってきたんだ。」

「え? そんな事、していいの?」

「さあ? だけど何も言われてないし多分大丈夫だろ。」

「いいのかな……?」


気にしてるけど、空腹には勝てないようで恐る恐るといった感じに口に入れるルナ。

そして目を見開いて驚きの表情をした後その顔は満面の笑みに変わる。

うん。

かわええ。


食べ終えると満足といった幸せそうな顔をしている。

うん。

やっぱかわええ。


「全部、食べちゃった、けど、後で怒られたり、しないよね?」

「まあ、そん時はそん時で謝るだけだよ。」


そもそも、突然あんな豪勢な食事を用意できるはずがない。

なら雨で遅れなくても元から予定していた事なんじゃないか?

元から予定していたということは食材の仕入れ予算もそれを踏まえて組まれていたと考えられる。

立食パーティーをする予定もないのにいざという時に備えた予備を含む必要分の食材以上に多く仕入れるなんてありえないからな。

そしてそのお金はどこから来るのか。

それはやっぱり俺たちが払う乗船代とかだろう。

つまり、元から食材の仕入れ値も含まれた代金なのに後出しで更にお金を要求するなんてズルイじゃないか。

ならちょっとくらいこっちがズルをしてもバチは当たらない筈だ。

まあ、俺達は乗船代払ってないんだけど……。

だって赴く側じゃなくて招かれる側なので。

きっとヤマトが支払ってくれるんだろう。


あれ?

こっちの方がズルい?

いやいや、最初にズルいことしたの向こうだし……うん。

何か言われたら謝ってちゃんとルナの分の代金も払おう。

多分それがいい。

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