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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1041話 ちゃんと教えてくれると嬉しいんだけど。的なお話

断るべきなんだろう。

そんな事をしても何にもならない。

それは分かってる。

でも、ローレムさんはなんらかの目的があってそんな事を言ってきたのだろう。

それを無碍にするのは申し訳ない。

そう感じるのは、黒金マグロを格安……? いや、相場から考えれば格安だろう。

格安で売ってくれた事に感謝しているからだと思う。


「あー、はい。分かりました。でも、一戦だけでせよ。」

「それで十分さ。」


まあ、海狩人でもトップクラスに位置するローレムさんとの模擬戦は何か得るものがあるはずさ。

その何かをしっかりと掴めばいい。


「そういうわけで、悪いみんな。俺はちょっと行ってくるよ。もうあんまり観光する時間もないし、適当に回って宿に帰っててくれ。」


また勝手に行動するわけだし、それに振り回すのは悪い。

なのでみんなには俺抜きで観光してもらおうと思ってそう言ったんだけど、何故かみんなは別行動せずに俺とローレムさんについて来る。

いや、なんで?


「勝手に行動していいって言うんだったら、僕達はレントと一緒にいるよ。」

「当然。」

「ですよね!」


3人ともありがとう。

でももう少し自由にしててもいいんだよ?

あ、自由にしてるからこそか。


「で、そっちは?」

「まあ、海狩人っていうのがどういうものか気になるしね。それに……ローレムさん美人だし。」

「は? まさか、それが理由?」

「何よ、悪い? また3人が暴走しないかどうか、気が気じゃないのよ……。」

「なるほど……。」


さもありなん。

確かに3人は、親しげな女性が現れるとすぐにそういう風に見ちゃうからな。

シアにはこれからも是非ストッパーとして頑張ってもらいたいものだ。

俺には無理だし。


そうしてたどり着いたのは港近くの建物側の広場。

建物の方は銛と釣竿が交差している冒険者ギルドを彷彿とさせる看板がかけられている。

ひょっとして海狩人にもギルドみたいなのがあるのか?

という事はこの広場は海狩人ギルドの訓練場という事かな。


「さて、そんじゃ早速やろうか。」

「ルールは先に一撃当てた方が勝ちでいいですか?」

「それでいいよ。」


ローレムさんの武器は先程見せてもらった長柄包丁を模した物。

長物相手はレイダさんで慣れてはいるけど、この長柄包丁はどう攻めてくるのかいまいちよく分からない。

突きが主体なのか、しかし攻撃力を重要視しての発展を遂げた訳だから斬撃が主体なのか……考えていても拉致が開かない。

まずは様子見で。


「はっ!」


とりあえず3連撃。

ガッ、ガッ、ガッ! と全てを受け止められた。

そしてそのまま反撃に転じてきたのでサッと後退して躱す。


「へぇ……。」


面白いな。

先が大剣のようになっているために空気抵抗が大きいから刃の向きを変えて空を切るように扱うのか。

そして、先の質量が大きいから多分だけど、威力はかなり高いんだろう。

てこの原理と遠心力……他にもあるかもしれないけど俺高1のゴールデンウィークにこっち来たからよく分からん。とにかく、そういった理由で先端には当たらないように気をつけないとな。


次はもう少し深く行ってみるか。

長物の弱点の定番接近戦。

どう対応してくるか。


「おらぁっ!」

「よっと。」


懐に潜り込もうとしたタイミングで狙いすましたような一撃が振るわれるが、ちょっと遅いな。

姿勢を低くして思いっきり踏み込む事で長柄包丁の刃は空を切り、そして俺はそのまま無防備な胴に軽く柄を当てる。


「はい。俺の勝ち。」

「あー、くっそー! やっぱり負けちまったか!」


やっぱり、ね。

どうやら負けると分かっていて勝負を仕掛けてきたようだ。

一体何故負けると分かっていて勝負を仕掛けてきたのか。

その理由を聞いてみようかね。

ちゃんと教えてくれると嬉しいんだけど。

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