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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1037話 またこれを食いたいものだな。的なお話

アクリアらしい料理といえばなんだろう?

この国は海洋国家と呼ばれており、水産業なんかが盛んな国だ。

ならばやはり魚介系だろうか?

それとも、ヤマトとの交流もあるからそっち方面だろうか?

そんな事を考えながらキョロキョロと手頃なお店はないかなと探す。

お、あそこの屋台、焼きエビを売ってやがる。

こりゃ行くしかない!

ふらふらと匂いに誘われて屋台に近づいていく。

気分は夢遊病患者。

意識はちゃんとあるけど。


「お、どうした? ふらふらして……大丈夫か?」

「あ、いえ、いい匂いだったのでつい……。」

「そう言ってくれんのはありがたいが、普通の焼きエビだぞ?」

「俺のいた所ではエビはゲテモノ扱いでしたから、こうやって売ってるのは見た事無かったので。」

「ゲテモノっつーとグラキアリスか。でもあんちゃんは食えるのか?」

「まあ、俺の故郷ではみんな食べてましたから。」

「グラキアリスじゃないのか? ま、いいか。買うって事でいいんだな?」

「はい。とりあえず50本ほど。」

「多いわ!」

「え、ダメですか?」

「いや、ダメってこたぁねーが……時間かかるぞ?」

「美味いものの為ならそれくらい待って当然です。」

「そ、そうか……。」


屋台のおじさん、軽く引いてる。

でも自重しません。


「ところで、アクリアらしい料理が出てくる美味い店とかってどこか知りません?」

「こんだけ買ってまだ食う気なのかよ……。」

「仲間の分もありますから。」


全員が食べるとは限らないが、1人5本計算となる。

正直に言って全然少ないんだけど、かといってこれ以上多くしても他の客の分も無くなるだろうし、時間がかかりすぎる。

だから仕方なく、泣く泣く諦めて50本にした。


「そうだなぁ……ならあそこはどうだ? 専属契約している海狩人がいるからその日その日で仕入れられる物が違うけど、料理人の腕がいいからな。毎回美味いもんが出てくるぞ。」

「へー、じゃあそこに行ってみます。」

「おう。まあ、まだ全部焼けてないから行くのはもう少し後になるけどな。」


50本だからね……そりゃ時間もかかるよ。

100にしなくて良かった……だってこの倍の時間がかかるわけでしょ。

本当に、100にしなくて良かった。


そして50本の焼きエビを受け取って、そのうちの1本を食べつつみんなを屋台のおじさんが指さしていたお店へと向かう。

えーと、黒船亭か。

黒船……たまたまだよね?

ただ単に黒い船を表してるだけだよね?


店の中は白と黒の壁で落ち着いた雰囲気というか、どことなく懐かしさを感じさせる景観。

ヤマト文化が少し混ざっているのか、お座敷の部屋なんかもあるみたい。

人数が多いからお座敷の部屋に通される。

靴を脱いで座るというのも高評価ポイント。

後は料理のみ。

メニュー自体は多いがその全てがあるわけじゃなくて、出せる物と出せない物があると書かれてる。

この辺は既に屋台のおじさんから聞いているから別に問題はない。

今日のメニューからだと……そうだな、ちょっと高いけど、大砲ガニ定食にしようかな。

大砲というのがよく分からないが、まあ、そういう魔物なんだろう。


運ばれてきた料理は大きな蟹足の輪切りステーキにカニの出汁香る味噌汁、ご飯、漬物という組み合わせだった。

カニのステーキはそりゃもう絶品で、食べている間常に幸福感に包まれていたよ。

ヤマトから戻ってきたらまたこれを食いたいものだな。

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