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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1034話 ギルドマスター全然喋らなかったな、と。的なお話

「……いえ、何でもないです。」


ちらりとギルドマスターさんの方を見るが、秘書官さんが切り出すのが当たり前みたいな顔している。

ここではこれが普通なのか……。


「経緯についてですが、最初は普通に依頼の魔物を討伐しました。見た目に関してはかなりキツイ物がありましたが、まあ、なんとか誰も怪我することなく倒すことが出来ました。それでお昼を食べまだ時間に余裕があったので少し稼いでおこうと思ったんです。最近散財してましたし、明後日にはヤマトに向かう予定でしたので。そうして探索をしていると銀ゴリ……シルバーエイプの群れと遭遇しました。数も多いので逃げるのも難しかったですし、背を見せてそこを狙われるのも嫌だったので戦うことにしました。下位種であるヘビィコングともよく戦っていた事もあり倒すこと自体はそれほど苦ではなかったですしね。流石に100以上もいた上に亜種に異常種もいたのには驚きましたけどね。」


間引きをしてモンスターパレードが起こらないようにしようとしたって話はしない。

それはただの自己満足の偽善でしかないからね。

それに、自分で言うのもどうかと思うけど、それを伝えようものならギルドに有益な存在として囲い込みやら勧誘やらをされかねない。

そんなの応じるつもりも無い以上面倒なだけだからな。


「戦闘後、探索を再開しようと思ったんですけど時折シルバーエイプに遭遇する度に怯えた表情を浮かべながら逃げられまして……それでこのままじゃ逃げたシルバーエイプの所為で生態系が荒れるだけじゃなく下手したらモンスターパレードになりかねないと思い遭遇しないよう気を使って帰ってきました。かなり時間がかかりましたが……。」

「なるほど……ご配慮感謝します。今多くの魔物がこの街に押しかけてこられた場合、少なくない被害が出たと思います。」


まあ、あのまま行っていたら夜まで戦いが続いた可能性もあったしな。

戦える人員は街の兵士に軍隊、冒険者、海狩人……あれ?

意外といっぱいいる?

いやまあ、夜戦で混戦なんて事になれば危険なのは間違いないし死者が出る可能性はかなりあるか。


「差し当たってはまず貴方達には明日は森の中に入るのは控えてもらいます。明後日にはヤマトに向かうという話ですのであまり意味のない事かもしれませんが。」

「はい。」

「それとは別に冒険者に忠告をします。話の通りなら逃げたシルバーエイプが本来居ない浅い場所に居る可能性があると。」

「ご迷惑おかけします。」

「いえ、放って置いたら近い内にモンスターパレードになっていた可能性がありますから、それを考えればこの程度どうという事はありません。」

「そう言っていただけると助かります。」

「最後に買い取りに出された魔物に関してですが、数が数なので値が下がると思いますがその点はご了承ください。」

「それも仕方ないですね……って、どうしたんですか?」

「いえ、他の冒険者だと値が下がると必ずと言っていいほど文句を言っていたので……こほん。それで値が下がるという事でよろしいですね?」

「はい。」


需要と供給の問題。

供給量が上がればそれだけそれ単体の価値も下がる。

となれば値下げもいたしかないだろうが、他の冒険者はこういう事知らないんだろうなぁ。

そもそも教えてくれる人なんていないだろうし。


「しかし、数が多いので全てを査定、買い取りできるかは保証できません。遅れた場合ですがどのように致しますか? また来た時まで取り置きしておきましょうか?」

「いえ、その場合はリステルのエリュシオンギルドマスターに預けてください。」

「そういえばお弟子さんという話でしたね。分かりました。遅れた場合はそのようにさせていただきます。それでは、話はこれで終わりとさせていただきます。本日はありがとうございました。」

「いえ、それじゃあ俺達はこれで失礼させていただきます。」


ギルドマスター室を後にして宿に向かう。

そしてふと思う。

そういえば、結局ギルドマスター全然喋らなかったな、と。

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