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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1031話 さっさと片付けてお昼にしよう。的なお話

「断罪炎覇!」

「流水斬・裂太刀!」


黒ゴリが離れてくれた隙に俺は断罪炎覇を発動。

隣に立ったリリンも流水斬の派生技である流水斬・裂太刀を発動させる。

どちらも奥の手であり威力は十分だが、当てられなければ意味がない。

黒ゴリもまた、追い詰められての奥の手を使っているし、その関係なのかは分からないが動きがこれまで以上に速い。

簡単には当てられないだろう。


「レント、リリン、隙を作ってくれる? その隙に私がおっきいのをかますから。」

「了解!」

「ん。」


アカネが決めるつもりらしいのでサポートに回る。

俺とリリンが派手に動くほどにアカネの存在が黒ゴリの中で薄れていく。

なら、とことん派手に行こう。

幸い、俺とリリンの技は見た目が目立つ。

いい隠れ蓑になるだろう。

と、いうわけで。


「はあっ!」


ちょっと気合を入れて、ついでに炎を明滅するように勢いに強弱をつけてみた。

まるで、力が漏れ出してその分が炎に変換されているような、そう見えるように演出をする。

そしてそのまま黒ゴリに接近して斬りかかる。

機動力が上がっている黒ゴリには回避されてしまったが、別に構わない。

俺がすべきなのはアカネの存在を忘れさせる事、そしてアカネが決めやすいように動きを制御し、誘導し、隙を作る事なのだから。


リリンと協力し、囲い、回り込み、黒ゴリの攻撃は躱しつつも動きを誘導していき、少しずつだけど、アカネの正面に位置取れるように動いていく。

時折、大きく振りかぶり火の粉を散らして視界を遮る。

自分のすぐ側で炎が瞬き、そして火の粉が散るというのはよっぽど目障りなのだろう。

どんどんと視野が狭まっているのを感じる。


リリンとアイコンタクトを交わして最後に誘導する場所を定める。

そして整地を終えたセフィアに目配せをし、アイコンタクトで意思疎通を図り、最後の締めを決める。


焦れたかのように思える動きでリリンが攻勢に出る。

それに合わせて俺も果敢に攻めこむ。


「グラップルロック!」


狙い通りの場所に誘導したところですかさずセフィアが土で出来た巨腕で黒ゴリを抑え込む。

タイミングはバッチリ。


「アカネ!」

「……『断空』。」


静かに技名を呟き、そして高く掲げた剣を振り下ろす。

たったそれだけ。

しかし、効果は絶大だった。

アカネの目の前の地面が裂け、斬られたことに後から気付いたかのように、静かに左右に分かれ、そして一瞬後にアカネの延長線上にある離れた場所で空気が爆ぜた。


「今のは?」

「断空……空間を断つというコンセプトで開発中の新技よ。私の技は閃空砕牙っていう貫く事を目的とした技がベースだからね。だから斬るという事を目的の技が欲しくてね。でもまだまだね。」

「どこがだ? 十分すぎるほどの成果が出てるように見えるが。」

「タメが長すぎるのよ。風を集め、鍛え、練り上げ、研ぎ澄まし、ひたすらに切断力を上げた刃を放つわけなんだけど、これがまたかなり集中力が要るのよ。その間動けないしね。」

「まあ、威力の高い技には代償はつきものだし仕方ないだろ。それよりも、最後の空気が破裂したみたいなのはなんなんだ?」

「そのままよ。集めて圧縮した空気の刃が制御から離れた結果、解放されただけ。」

「なるほど。でも、それだけでもかなりの技になりそうだけどな。」


うん。

その、空気が爆ぜた場所にははっきりと爪痕が残っており、近くにあった木が折れてるんだもの。

あんなの間近で受けたら大変な事になるだろう。

前にセフィアが練習してた技も最終的にはあんな感じになるのかな?


そして、黒ゴリが斃れたからか、シア達が対処してくれていた銀ゴリが散り散りになって逃げていく。

見たところ誰も怪我をしていないようだし、無事に済んで良かったよ。


結構時間がかかってお昼時を少し過ぎてしまったな。

お腹すいたし、さっさと片付けてお昼にしよう。

レント君を活躍させるつもりだったのに、何故かアカネが決めちゃったよ

主人公なのになかなか活躍させられない……

なんでだ?

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