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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第1024話 何人たりとも寄せ付けないわ。的なお話

ただの偽善で自己満足だとは分かっているが、自分が立ち寄った街で、自分の知らない所でモンスターパレードが起きるなんていう寝覚めの悪い展開は起こさせてなるものか。

そう考えながらも、とりあえずギルドに寄って依頼を物色。

うん、まあ。

稼げるのなら稼いでおきたいから。


Bランクパーティが1パーティしかないと知った後だとこうして見るクエストボードも結構違って見える。

最初見た時は単純にBランク以上の魔物が少ないから少ないと思っていたけど、今だと依頼した所で受注してくれる相手が居ないからBランク以上の依頼が少ないように見える。

Bランク以上の依頼は長いこと置いてあるのか少し色が変わってる。

気の長い事で。


受ける依頼はこれでいいかな。

カノンボルトイールの納品。

一度経験があるし問題なく熟せるだろう。


「あ、すみません。その依頼、先程依頼の取り消しの申し出がありまして……。」

「なんですと!?」


依頼を受けようと思ったら受けられませんでした。

なんで?


「えと、理由を聞いてもいいですか?」

「欲しい数が確保出来たからだそうです。あなた方から買い取らせていただいたカノンボルトイールを購入されたんだと思われます。」

「あ〜、そういう事……。」


納品だったからね。

それが売りに出されたのなら依頼を取り消してそっちを買うとしてもおかしくないよね。


「えと、他にそういう依頼とかってありますかね?」

「そうですね……今の所はそういう話は来ていませんが、シルバーエイプとブラッディベアの依頼はそういう事になる可能性が高いですね。」

「そ、そうですか。」


笑顔で言われてしまった。

言外にあなた方の所為ですよと言われている気分になった。

ギルドとしては仲介料とかそういうのが無くなるからあんまり嬉しくないのかもしれないな。


再びクエストボードの前に戻り、依頼を選ぶ。

少なくとも、受付の人に言われた魔物に関する依頼は無いと考えた方が良さそうだ。

だとすると……これかな。

ナニュヂケッパヌラ。

異世界人的には文字化けか何かにしか思えないんだけど、こんなへんなのでもちゃんと意味がある言葉で、意味は寄せ付けぬ者。

この辺の古い方言が語源らしい。

硬い甲殻に、その甲殻に不規則に生えたトゲ、そして8本の伸び縮みする触腕で掴み、触腕の先にある毒針で麻痺させた後生きたまま食らうという魔物。

うん。

全然イメージが湧かない。

8本の触腕って事はタコ的な何かなのかな?

でも甲殻があるっていうし……。

ま、いいや。

この依頼はおまけで本命は間引きだからな。


そして依頼の受注を済ませて森の中へ。

生息域は湖周辺。

だからそこまで少し急ぎ足で移動し、そのナニュヂケッパヌラ? とやらを屠ってから二手に分かれて間引きを行う。


「さて、一体どこにいるのか、ナミュヂゲッパ……ニュヂケッパニュラ……えーい! 言いにくい!」


昔の現地民は何を考えてこんな言いにくい名前にしたんだ!

馬鹿じゃないの!?


「レント、落ち着いて。」

「だけど、スッゲー言いにくいじゃないか!」

「気持ちは分かるけどね。」


本当に、なんでこんな言いにくい名前にしたんだよ。

伝えるにしても困ると思うんだよね、こんな名前じゃあさ。


「来た!」


リリンが指差した場所は地面。

そこにはまだ何もいない。

しかしすぐに姿を現した。


その姿はなんと言えばいいか分からない。

アルマジロのような何かにトゲと角を生やして、その上で触手のような手足で這い出てくる面妖な生物。

特徴だけを挙げるならば確かに説明文に書いてあったものになるだろう。

グパァと開けた口は4つに分かれ、内側には鋭い歯がびっしりと生えている。

はっきりいってSAN値直葬レベルの気持ち悪い生物だ。

黒い甲殻に赤と紫のマダラ模様というのもまた気持ち悪さに拍車をかけている。

見た瞬間全身を悪寒が駆け巡った程だ。

確かにこれは、何人たりとも寄せ付けないわ。

時々ありきたりじゃない物を作りたくなる。

動物がモデルだとか定番モンスターだとか、そういうのとは違うものを。

そしてモンスターらしいものをと考えた結果気色悪い生物が産まれた。

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