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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第996話 楽園はここにあったのか…。的なお話

マグロを探して魚市場を彷徨うが、なぜか捜索は遅々として進まない。


「予想以上に時間が経ってる……何故だ?」

「何故だも何も、答えならばその手の中にあるではないか……。」


俺の手の中にあるのは焼き蟹の脚。

売ってたから買った。

美味い!


「それ以外にもここに来るまでに一体どれだけの店で買い物をしていたと思っているのだ? そんなの時間が経っていて当然ではないか。」

「あー……。」


マグロを探すが、だからといって他の物は全てスルーする必要はどこにもない。

そういうわけでエビも蟹もタコもイカもサンマが売っている秋刀魚も目についた物は片っ端から買っていった。

でもマグロは未だ見つかっていない。


「でも確かに結構時間経ってるね。もうお昼だし。」

「本当だ。……どうする?」

「お昼ご飯の事?」

「そう。どこで食べる? ここなら海鮮を使った店が沢山あるだろうから、どういうのがいいとかそういうのはあるかなって。」

「私海鮮丼! ここならきっとあるはず!」

「あ、私も私も!」

「海鮮丼? それって何?」

「生の魚をご飯の上に乗せた料理かな。」

「それって前に食べてたスゥ・シーって奴?」

「似てるけどちょっと違うかな。どんっていうのはご飯をどんぶりによそい、その上に具材を載せた料理の総称で、海鮮だけじゃなくて、出汁卵で閉じた豚カツ、牛肉と玉ねぎを煮詰めた物、天ぷらっていう揚げ物を載せた物も色々な種類がある。」

「へー、面白いね。その丼って料理、ちょっと興味が出てきたよ。」

「そうか? まあ、この街で扱っているかどうかは分からないんだけどね。一応この国はヤマトと交易しているから米はあるだろうし、食文化なんかも混ざっていても不思議じゃないからあってもおかしくはないとは思うけどね。」

「まあ、その辺は適当に探しながら行こうよ。」

「まあ、そうだな。みんなもそれでいいか?」

「特に希望があったわけじゃないしそれでいいわ。」

「うん。」

「丼か……久しぶりだな。」

「あ、ユキノは食べたことあるのか?」

「当たり前だ。私はヤマトの出身だからな。」


というわけで一旦マグロ探しを中断してお昼に。

丼物のお店はどこかな?

あ、味醂が売ってる!

納豆も!?

豆腐におから、お揚げも!

それによく見てみればわかめに海苔、あおさ、煮干し、鰹節なんかもある!

ここは交易品を売っている店なのか!?


「レント〜?」

「あ、ごめん……。」

「気持ちは分かるけどね。でもそれは後にして今はお昼ご飯を先にしようね。」

「はい。」


釘を刺されてしまった……。

くぅ……すまない、我が食材達よ。

しばしの別れだが、必ずまたこの地に来ると誓おう!

再び訪れた暁には我が手に……


「レント、ほら行くよ。」


我が手はセフィアに引っ張られる。

……茶番はおしまいか。

まあいい。

お昼を食べ終わったらまたここに来て買えばいいだけの話だ。


魚市場を適当に歩き、時に人に聞いたりしてたどり着いたのは一軒の食堂。

どうやらここは丼物を専門にしているお店らしい。

中に入ると結構な賑わいがあり割と人気がある事が伺える。

これだけ人がいるならハズレの店という事はないだろうし、ここにしよう。


メニューは事前情報通り丼物のみで、そこにセットメニューとして味噌汁と漬物、後はお茶がサービスでついてくるという、日本でもよくあるタイプの店だった。

というわけで早速海鮮丼を頼むとしよう。

みんなもそれぞれ好みの丼を頼んでいく。


「海鮮丼セット3つお待ちどうさま。」


キタキタキタキタキター!

ワサビ醤油をかけ、海鮮丼を掻き込む。

そして味噌汁を啜り、緑茶を一口。

これぞまさしく感無量……。

ああ、楽園はここにあったのか……。

蓮斗君はテンション上がっててちょっとおかしくなってます。

でもそれも仕方ないでしょう。

もうすぐ三年になるのですから。

その間食べられなかった物が食べられるようになるのだからおかしくなるのも仕方ない。

仕方ないよね?

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