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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第960話 それはちょっと楽しみだな。的なお話

「? どうしました?」

「え、いや、ちょっと名前が気になりまして……。」

「名前ですか? 私の名前はロザリーですが?」

「ああ、いや、貴女の名前ではなくて、料理の名前です。」


名前の違いにちょっと呆けていたらその事が気になった店員さんに聞かれてしまった。

というか、これではナンパではないかと、思ったのですぐに料理の名前に焦点を当てたが、それが気に食わないのかちょっとだけムッとしだす。

どうでもいいみたいな感じになったのは申し訳ないが、そんなつもりはないので、こればっかりはね。

これ以上はマジで睡眠時間がヤバいので増やすつもりもないし。


「店主が言うには分かりやすさを第一にしてるそうですよ?」

「それにしては炊き込みご飯は普通の料理名ですよね?」

「ああ、それはヤマト人からその料理を教えて貰ったそうですよ。」

「じゃあ他のは全部自分で考えたと。」

「いえ、それもなんかの文献で読んだのを再現したそうです。ただ、料理名が載ってなかったそうで分かりやすい名前にしたそうです。」

「あ、そうですか……。」


なんか、反応に困るな……。

聞くんじゃなかった。


料理自体はヤマト人から教わっただけあって普通に美味しかったです。

出汁が効いてる上に解されている魚もいい味してて。


「ご馳走様でした。」


色々とツッコミどころはあったり米欲が完全に満たされたわけじゃないけど、まあ、満足。

料理自体は美味しかったというのもあるしね。


「さて、それじゃこれからどうしよう? 突発的だけど、早めの昼食を済ませたわけだけどさ。」

「突発的なのも早めになってしまったのも全部あんたのせいでしょ。」

「それはそれ、これはこれ。」


暴走したのは分かってるけど今はそれを置いとこうよ。

ジェスチャーも付けておくよ。


「普通に観光でいいんじゃない? 折角の領都なんだしさ。」

「まあ、そうなんだけど、それでもどういう所に行きたいかくらいは話しておきたいじゃないか。」

「何も決めずに回るのも観光の醍醐味だよ。」

「うーん、それもそうか。でも……すみませーん。」

「なんでしょう?」

「この街でこれだけは見るべきってものありますか?」


この街の名物くらいは見ておきたいよね。

それに、そういうのの周りには色々な露店やらなんやらが集まるものだ。

観光客を目当てにした商売としてね。

だからそういう所を1つでも知っておけば意外と楽しめるんじゃないかな。


「特にこれといって思い浮かばないですね……。」


え、無いの?

って、よくよく考えれば当然といえば当然か。

この世界は日本というか、地球に比べて移動手段が限られていて情報伝達能力も低い。

だから、情報を発信すること自体がまず難しい。

それに、この世界には魔物という脅威が存在する。

そんな危険を冒してまで旅をする人はそう多くない。

それなのにその多くない人を集めるために観光名所を作るかといえば疑問が残るというもの。

そんなのよりももっと領内を発展させろって周りから言われそうだしね。


そして、これが1番の理由だと思うが、ここが辺境伯領で隣国と接しているという事。

ここに観光客が押し寄せるようになってしまっては他国の密偵やら工作員やらが紛れ込みやすくなる。

だからそういうのを作らないようにしているんだろう。

……ま、あくまでも俺の勝手な推測なんだけどね。

実際はどうなのかは分からないし知る術も持たない。

ただ単に、観光名所が無くて残念、それだけで済まそう。

好奇心は猫を殺すって言うしね。

政治に関わる気はないので普通の一般人でいた方がいいさ。


「あ、でもここはアクリアと隣接してる関係でグラキアリスとアクリアの文化が混ざり合ってるからそういうのは他所から来た人には面白いんじゃないかな。」

「そうなんですか。じゃあ、それを中心に見て回ろうと思います。教えてくれてありがとうございます。」


観光名所は無くてもそういうものがあるのか。

それはちょっと楽しみだな。

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