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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第七章】封竜祭に参加します
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第959話 普通の名前なんかーい! 的なお話

何故だ……何故俺はいつもいつもこう間が悪いんだ……。

フラグを立てれば回収する事はないし、俺に対して良くない感情を抱く不良冒険者がいても俺の所には来ないし、異世界のテンプレイベントなんて恐ろしいほど遭遇しない……。

本当に、なんでこうなんだろう……?


「こればっかりはどうしようもないしなぁ……。交易船の都合でこっちじゃどうしようもないからさ。それより、そんなに米が食いたいんなら倅の店に行くか?」

「っ!?」

「俺の倅はウチの店から野菜を買ってて、米も買ってるんだよ。そこなら食えるけど、どうだ?」

「ば、場所! 場所はどこですか!?」


お預けされた所に見せられる飴。

食いつかないはずがない。

そういう商売をしているのでは? という考えが頭を過ぎるのだが、米の魔力からは逃れることができない。

くぅ……なんて商売上手なんだ。


「場所はここを右に行って、しばらく進んだ先の左側にマイアーノ食堂ってのがあってそこが倅の店だ。ちなみにマイアーノってのが倅の名前だな。」

「分かりました。今すぐ行きます!」

「い、今すぐって……。ま、まあ、いいや。」


マイアーノね。

今食いに行くぞ!


……そういえば、さっきの八百屋の名前はマハーデルだったけど、ひょっとして店主のおっさんの名前だったりするのかな?

もしもそうなら、親子だけあってネーミングセンスそっくりということになるのな。


「米はここかぁ!」

「うぉわっ! な、なんだぁ!?」

「騒がしくしてすみません。レントもあんまりびっくりさせちゃダメだよ。」

「そんなのどうでもいい。それよりも米……ぐふっ!」

「いいから落ち着け。気持ちは分からなくもないけど、騒いでも店に迷惑でしょ。」


あ、蒼井の癖に正論を言いおって……。


「ユウキちゃんは冷静なんだね。」

「まあ、あんなの見せられたらね……えーと、なんだっけ? 他人の振りして我が不利悟れ?」

「ユウキ、それを言うなら他人の振り見て我が振り直せよ。他人の言動を見て自身の行動を見直す事ね。自分よりも動揺してる人を見るとかえって冷静になるとも言うし、そう言う事なんでしょう?」

「そんな感じ。」


ぐぬぬ……なんか負けた気分。

ここは一旦落ち着いて、冷静に……。


「この店で米を使った料理のおすすめをください。」


注文をしつつ席につく。

まだかな?


ーーそわそわ


「いやいや、まだ注文したばっかでしょ。というか私達まだ注文してないんですけど!?」


だって待ち遠しいんだもの。

しょうがないじゃないか。


「えーと、僕はこの肉乗せご飯を下さい。」

「炒めご飯。」

「私はトマト煮込みご飯をお願いします。」


えーと?

肉乗せってそれ牛丼とか豚丼か?

そして炒めご飯は炒飯(チャーハン)でトマト煮込みご飯はおそらくトマトリゾット。

もう少し名前はどうにかならなかったのか?


「私はカルボナーラを。」


って、米じゃないんかい!

いやまあ、強制しているわけじゃないし食べたい物を食べればいいと思うけどさ。

でもここは流れ的に、ねぇ?


みんながそれぞれ食べたい料理を注文し、出来上がったそばから運ばれてくる。

シアのカルボナーラにセフィアの肉乗せご飯……まあ、豚丼だな。

ひょっとしたらオーク肉かもしれないけど豚でいいだろう。


次々と運ばれてくる中、俺と蒼井の注文だけがなかなか来ない。

結局、運ばれてきたのは最後になってしまった。

俺、真っ先に注文していたよね?


「どうぞ。魚介の旨味たっぷり炊き込みご飯定食です。」


いやそこは普通の名前なんかーい!

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