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変な学校  作者: akaoni0026
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其の十一の十五

 互いに相手の腹を探ろうとするかと思うや否や、二人は一瞬消えた。

 と思うと試験場の真ん中で殴り合っていた。

「へ、おもしれー!!やるじゃねえか!?テメェ!!」

「…殺す」

 ババババババッ!!

 と轟音が試験場からガラス越しに聞こえるだけで、眼を凝らしていても、腕は、足は、体は、どう動いているのかも分からない。

「彼女は戦闘用ライド…」

 隣にスッと立ち、雄谷は試験場を眺めながら言った。

「こちらもそうですが、彼女もコピーです。さらに五倍の力と、調教が成されています」

 今更それを言って何になるのだろう?耕輔はそう思った。

「しかしそれが“仇”となったんですよ」

「…どうゆうことだ?」

「ふふ。分かってませんね」

 んなもん分かるかと言ってやりたい。

「表律佳は一度死んでいる。それは理解出来ますね?」

 耕輔は頷いてみせる。

「その後どうなったのかも知ってますね?再確認の為口頭でお願いします」

「過去を復唱しろってことか?」

「肯定です」

「…。律佳は、智香さんによって暴走し、その施設で射殺された。でも再生手術で奇跡的に生き返った。けど律佳は思い人を殺してしまった記憶と、再生手術の後遺症で、精神も記憶も吹き飛んだ」

「その後どうなりましたか?」

「その後、彼女は回復することがなかった。仕方なくプログラミングを簡易化して、仕事を割り当て派遣した」

「見事です」

 と言う割には感情の欠片もない。

「ではもう分かっていますね?」

「…何が?」

「理由ですよ。僕が言った、コピー律佳の“仇”」

 そういえばその為に復唱したんだっけ。

「…いや、分からない・・・」

 ため息をつく様子もなく雄谷は淡々と言った。

「…彼女のプログラムは簡易でした」

「…ああ」

「彼女は一度殺されています」

「…あ、ああ」

「さて。それをコピーしたならば、それは?」

「あ!!」

 何故気付かなかった!?答えは・・・簡単じゃないか!!

「さらに彼女は調教され、そのライド的に“特化”した感情を押さえつけています。しかしあなたの律佳は違う。あの9事件(変な学校 9の意)によって、“恋”の感情を取り戻した彼女は、正真正銘の傑作機なんですよ。いわば完


全体。“恋をしていた生前の律佳”も“暴走をした律佳”も“あなたと一緒にいた律佳”も、彼女の中にあるんですから」

 バグァンッ!!

 その時試験場に大きな衝撃が響いた。

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