二人で・・・
「誰から聞いたんだ??その事・・・。」
「ヒロさんの彼女からだよ。前に電話かけた時に、彼女が電話にでてそう言ってた。」
「そっか・・・。」
そう言うとヒロさんは何だか悲しそうな顔をして、湖を見つめていた。
「あのっ。ひとつ聞いてもいいですか??」
「何?」
「ヒロさんにとって私って妹??」
「う・・ん。俺の可愛い妹だよ。」
「じゃぁ何でキスしたの!!ヒロさんは妹にキスなんてするの!?」
私は大声で叫んだ。
「・・・・ごめん・・・・・。」
ボソッとつぶやいた。
「何!?何がごめんなの?!私はヒロさんの事が好きだった。好きで好きでどうしようもなくて
、私が学校の事で悩んでる時にヒロさんだけが私に手を差し伸べてくれた!だからキスしてくれた時は嬉しくて嬉しくて、もしかしたら両想いなのかな?とか考えちゃったりして・・・。なのにヒドイよ!!
私だけ一人舞い上がって馬鹿みたいじゃん!!好きじゃないんならキスなんかしないでよ!!!」
いっぱいいっぱい叫んで、暴れた。
でもヒロさんは、そんな私を力いっぱい抱きしめてくれた。
「ヤダッ!!離してっ!!ヒロさんなんか大っ嫌い!!嫌い!」
泣き叫びながら、ヒロさんの腕を離そうとするが離せなかった。力が強かった。
「嫌い・・・。やだぁぁぁぁ。」
「ごめん・・・ごめん・・・ごめ・・・っ。」
私のおでこに水滴が落ちた。見上げるとヒロさんも泣いていた。何でヒロさんまで泣いてるのかわか
らなかったけど、二人で抱き合いながら・・・ただ・・・私たちは泣くことしかできなかった。




