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初恋  作者:
7/14

デート

『ジリリリリッ』

朝だ。私の耳元で目覚し時計が鳴り響く。

「うるさいなぁ〜」

そう言って私は、そばに置いてあった目覚し時計を止めた。時計の時刻は7時半をまわっていた。学校には十分に間に合う時間だが行く気になれない。

「今日も休もう・・・。」

学校を休んで、もう4日になる。クラスの友達からは毎日メールがはいってくる。友達全員にちゃんとメールを返し、今は風邪で休んでいるという事にしてある。もちろんヒロさんからもメールや電話は毎日のようにくる。

「奈央子っ??電話くれたよね?ごめんね。でれなくて。奈央子から返事がないので心配してます。連絡下さい。」

でも私は返さないし、電話にも出ない・・・・。

ヒロさんには彼女がいて、それも来年の春には結婚するのに・・・。それがショックだった。

今まで色々してくれたけど、それが妹としてみていられた事にもショックだったし、何より1番辛かったのは、キスひとつで舞い上がっていた自分自身に、1番情けなさを感じて辛かった・・・。

そしてその日は、1日中を寝て過ごした。何も考える気にはなれなかった。ヒロさんの事を思い出すのが怖かった・・・。

次ぎの日、私は携帯の着信音で目が覚めた。サブ画面を見ると、電話はヒロさんからだった。

でも私は電話には出なかった。ちょっと経ってからようやく音が止まったので画面を開くと留守電のマークが出ていたので、留守電ボタンを押した。

「もしもし!?何回もごめんね?でも、どうしても今日は、奈央子に逢って話したい事があるから。今日の夕方5時に、奈央子の家の近くの神社の駐車場で待ってます。」

正直すごく悩んだけど、ヒロさんの事だから、私が行くまでずっと待ってると思ったから行くことにきめた。

その日は、朝から曇りで、気温が低く肌寒かった。私は、したくをしてちょっと早めに家を出た。

駐車場に着くと、ヒロさんに着きましたというメールを送った。すると

『プップ〜!!』

車のクラクションが鳴り、駐車場から1台の車が私の元にやってきた。

私の前で止まり、車の窓が下りていく。

「来てくれたんだね♪」

中からヒロさんがニッコリ私に微笑んだ。

「私早く来たんですけど、ヒロさんいつからここにいたんですか??」

「一時間ぐらい前かな?」

「えぇー!!何でもっと早くに言わないんですか!!電話してくれればスグきたのに・・。」

「いいよ。別に。俺は早めにきたけど色々する事があったからちょうどいいのっ!!」

そういって私はドアを開き、助手席に座った。何だか恥ずかしかった。男の人の車に乗るのは初めてで、ヒロさんの香水の匂いが私の鼻をかすめて、ドキドキした。

「あっ!!話って何ですか??」

「ウソ」

「えっ!?」

「だからウソだよっ♪だってこうでもしないと奈央子来てくれないと思ったから・・」

「ひっどーい!!じゃぁ私帰ります」

シートベルトをはずして帰ろうとした途端に、車が動きだした。

「ちょっちょっと。何するんですか!!私帰りますっ!」

「だぁ〜めっ♪今日は奈央子とデーとするんだから★」

その一言が嬉しくて帰る気がしなくなって、助手席で運転をするヒロさんの横顔を私はずっと眺めていた。今日のこの日だけは、ヒロさんを私の恋人にして下せいと・・神様に祈りながら・・・。

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