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初恋  作者:
4/14

初キス

そしていよいよ秋祭りの日がやってきた。秋祭りは三日間続けて行われる。朝の部と昼の部、そして1番の盛り上がりを見せる夜の部の3構成になっている。朝と昼は町内をまわり、夜の部は市内をまわる。

ヒロさんは朝早くから、祭りの準備にかりだされていた。

「おはようございますっ♪朝早くからご苦労様です。」

「おはよっ♪もう俺は眠たくてしょうがないよ。あっ!!そうそう奈央子ちゃんは太鼓でしょ?」

「はい。そうですけど、それがどうかしましたか?」

「俺、みこしを運転する事になったから奈央子ちゃんの隣にずっといるよ♪」

「えっ?本当ですか!?」

「ほんとっ!」

「じゃ〜気合入れて太鼓頑張りますっ」

私は、嬉しくて嬉しくて今にも飛びあがりそうな気持ちでいっぱいだった。こんなに幸せが続いていいんだろうかと心配もした。

『ありがとうございましたっ!!』

みんなで、みこしや神社に向かって大きな声でお礼を言う。これは三日間無事に、お祭りができたことに神様に感謝をする閉めのあいさつ。

「奈央子っ♪三日間お疲れ様っ」

ヒロさんが一人休憩をする私のもとにやってきた。

「えっ?あっ!おっお疲れ様です」

私は、ヒロさんに初めて呼び捨てにされたので嬉しいかったけど、ちょっと突然だったからビックリした。

「あっ!やっぱ呼び捨てダメ?」

「全然そんなことナイですっ。」

「良かった。じゃっ今日から奈央子でっ」

「はっはい。」

私はその時下を向いていたけど、顔が真っ赤だった。

「これ飲む?」

不意にヒロさんが差し出したのは、まだ飲みかけの温かい缶ジュースだった。

「いっ。いただきます」

「(あっ!ヒロさんとはじめての間接キスだっ♪)」

心の中でそんなことを考えていた。

「あっ!!今ので俺と奈央子間接チューだぁ♪♪」

その言葉に驚いて私は、噴いてしまった。

「なっ!何言ってるんですか!!からかわないで下さいっ!」

そんなことを言ってちょっと怒ってみたけど、ホントは心の中はドキドキだった。


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