初夜
「俺もだよっ」
しばらくの間、抱き合っていた。そして少し離れて
先に口を開いたのは私の方からだった。
「ねぇ〜あたし・・今日は帰らない。ヒロさんと一緒にいる」
「ばっ馬鹿!!そんな事できるワケねぇーだろ!!」
「どうして??」
ヒロさんの顔はみるみるうちに真っ赤になって咳ばらいをした
「俺だって男なんだ・・・その・・・えっと・・りっ・・・理性というものが・・・
りっ?理性ってわかるか??そのエッチなことなんだけど・・・。奈央子に嫌われたくないし・・」
「わかってるよ。そんなの。もう高校生だよ?!」
「そっか・・そうだよなぁ〜」
と、顔が引きつりながら笑おうとしていた。
そんなヒロさんが愛しくて愛しくて、私はこう言った。
「あたしをヒロさんのものにして下さいっ!」
私はヒロさんのお腹あたりに手をまわして力いっぱいしがみついた。
「ホンとにいいのか?」
静かに私の耳元で囁いた
そこで私はコクンッとだけうなづいた。
二人で手を繋ぎながら車でホテルへと向かった。
車内は沈黙でなぜか口を開ける雰囲気ではなかった。
山道を20分ぐらい走っていくとやたらと大きい西洋風の建物が見えてきた。
「(どっどうしよう!!ホンとに来ちゃったよ!!)」
自分で言ったにもかかわらず、内心焦っているから手が汗ばんできて、
私は完全にパニック状態だった。
そんな状況にヒロさんは気付きもしなく、とっとと車から降りて
フロントにいった。
フロントから鍵をもらい、そのままエレベーターに乗り部屋へとむかった。
部屋に入ると、いきなりベットに追いやられ
私はベットに倒れるようにしずんだ。そこに上着を脱いで上半身裸になった
ヒロさんがのしかかってきた。
「ちょっ!!ちょっと待ってぇ!!」
と叫んでみたけど、ヒロさんはただ黙って私の制服のボタンをひとつひとつ
はずしていく。ヒロさんの手は震えていた。
「ばっ!!馬鹿みてぇ〜!!大の男が焦ってやんのっ!ハハッ!カッコ悪ぅー」
苦笑いしながら、震えた手で制服を脱がそうとしたとき私はヒロさんの手を
握りしめて、自分から全部脱いでヒロさんを抱きしめた。
そのまま二人でベットにうもれて肌を重ねあわせた。
ヒロさんは汗ばんだ身体で私を抱きしめながら・・・
「奈央子っ・・・っつ・・・愛してるっ」
とつぶやいた。
朝、私が目を覚ますとニッコリ笑いながら横で頬杖をしながら私をみていた。
「ヤッ!寝顔なんかみないでっ!!」
と、私はかぶっていた布団を顔の上まで持ってきた。
「何で隠すんだよ!!可愛いのに♪まっ!!昨日の夜の奈央子が1番可愛かった
けどねっ♪」
そういうと、ヒロさんは自分の人差指を私のホッぺにツンツンとつきたててきた。
「もう!!ヒロさんのスケベッ!!変態っ!!」
「あははっ♪ひっでぇ〜!!仮にもそれが恋人にいうセリフかよ」
これがヒロさんと私の最後の夜になろうとは・・・。
この時想像もつかなかった。
長々とお待たせして申し訳ありませんでした。最終話まであと少しですので、なにとぞお付き合いくださいませ。
これからまめに更新していく所存でございます。




