孤独
この作品は全てフィクションです。登場人物など架空のものです。
〜初恋〜
「私、アンタの友達辞めるから」
その言葉を、親友の友達から言われて一週間がたった。私、佐倉奈央子(16歳)は、今クラス中からイジメを受けている。暴力なんてそんな所まではいかないけど、クラス中から、ひたすらムシをされ続けている。言葉はもちろんのこと目すら合わせようとしない。
「おはよう」
「・・・。」
「(今日もムシですか・・・。)」
いつもいつも独りぼっち。家に帰っても、自分がイジメを受けているなんて恥ずかしくて寂しくて家族には言えない。毎日毎日何事もなっかたように虚勢をはって必死で作り笑顔をする自分。私に居場所なんてどこにもなかった。
そんなある日、家にチラシが届いた。それは毎年恒例の秋祭りのチラシだった。
「そっか・・・。もうそんな時期だったんだ。去年はみんなで馬鹿騒ぎして楽しかったなぁ。そしたらまた私、太鼓担当かなっ。」
私の住む所には大きな秋祭りがある。町内ごとにわかれて太鼓とか笛なんかを競う。私は去年太鼓担当だった。
「でも今年はどうしよう。同じクラスの子がいるし・・・。」
行ったってまたハブにされるだけだし、行っても無駄だと思って今年は行かないことにした。でも町内会長と母が仲良しなので結局行かされるハメになった。
「ほらっ!早くしなさいよ!太鼓の練習が始まるでしょ!」
太鼓の練習は、だいたい夕方から夜にかけて3週間ぐらいかけて近所の公園のテントの中で開かれる。
「こんばんは」
「・・・。」
今度は、クラスメイトだけではなく知ってか知らずか、周りの大人たちまで私をムシするようになった。




