表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
D-JOKER  作者: カラクリ/あわぞー
魔族への切り札編
6/16

第五話『宣戦布告』

 クラスの大半の生徒は閃牙の近くにいた。

 ノアの時はこんな事は無かったのだが。

 まぁ、それは、ただ単に近寄りがたかっただけだ。

 転入前日にモデル疑惑が上がっていた少年が、突然クラスに来て話しかけやすい人などいる訳が無い。 


「……アイツ何もんだ?」

「俺に聞かれても知るかよ」

 

 ノアと竜樹は閃牙から離れた所で話している。

 修也はトイレに行っているのかここにはいない。

 

「確か『闇』が嫌いって言ってたよな」

「ああ……俺を狙って来たのか?」

「……どうだろうな」

 

 ノア達が知らないという事は『D-JOKER』の者ではないだろう。

 というよりそれが本当にノアの力の事を差しているのだろうか。

 もしかしたらただの考え過ぎかもしれない

 

「謎は深まるばかり、か」

「エノク……いや、赤間谷、何か情報を持ってねぇか稲瀬と仁科に聞いて来る」

「他の奴には良いのか?」

 

 ノアは少し考えて、こう言った。

 

「他の奴にロクな奴いねぇじゃん」

「……確かにな」

 

 ノアは誰にも聞かれないように屋上へと向かった。

 その数秒後にノアの出て行ったドアとはまた別のドアから修也が入ってきた。

 

「あれ?ノア君は?」

「お前には関係ねぇから安心しとけ」

 

 別に不安がってなどいないのだが。

 修也はそう思った。

 その時、授業開始のチャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に何も知らねぇのか?」

『本当だってば。百目鬼閃牙なんて聞いた事も、見た事も、嗅いだ事も、食べた事も、触った事もないって』

「五感全部使って否定しなくても良い!」

 

 聞いた事や見た事ならまだしも、いや、触るのもまだ分かるが、嗅いだり食べていたりすると、若干どころかかなり引く。

 ノアは佳弥に電話をかける前に仁科にも一応聞いたが何も知らなかった。

 まあ、佳弥も知らなかったのだが。

 

『ただ、気を付けなよ』

 

 佳弥が声のトーンを低くして言う。

 これは佳弥の真面目なトーンだ。

 

『もしかしたら力を持ってるかもしれないから』

「……はぁ?レーダーには引っ掛かってねぇんだろ?」

 

 レーダーとは力を持つ者を捜し当てる機械だ。

 噂によると、人工衛星から放たれる、人体には無影響のレーザーらしい。

 ただ、詳しい所は、佳弥位しかだろう。 

 

『けどレーダーが出来る前に力を手にしてたとしたら』

 

 力を持つ者と、力を手にした者は少し違う。

 力を手にした者はレーダーには掛からないのだ。

 その辺りの詳しい所は、いずれ話そうと思う。

 

『とりあえず気を付けなよ?』

「ああ、解ってる」

「何がだ?」

 

 ノアはゆっくりと振り返る。

 そこには閃牙がいた。

 

「おいおい、盗み聞きだなんて良い趣味してるな、転入生」

「名前、百目鬼閃牙だ」

 

 知ってるよ…、と思ったが敢えて口には出さなかった。

 

「そんな事よりその百目鬼君がどうしてこんな所にいるんだ?今は授業中だぜ?」

「それはお互い様だろ」

 

 もう良いよ、さっさと用件言えよ…、と思ったがこれも敢えて口には出さなかった。

 

「オレがここに来たのは宣戦布告の為だ」

「!! ……宣戦布告?」

「そうだ。てめぇに宣戦布告だ」

 

 ノアは平然とした顔で話を聞いている。

 

「何の事だ?何で俺なんだ?俺が何かしたか?」

「惚けるな。そんな事をしても無駄だ。てめぇの事は分かってる。ちゃんと調べてんだからな」

 

 予感は的中していた。

 やはりノアを狙って来たのだ。

 

「どこで調べたのか知らねぇが俺には関係ねぇ」

「果たしてどうだろうなぁ?」

 

 閃牙が指を鳴らすと、後ろに30匹程の魔族が現れた。

 人型のものや動物、魚、虫の様な形をしたもの等種類は様々だ。

 

(こんな大量の魔族が何故…!!)

 

 ノアの頬に嫌な汗が伝う。

 流石に30匹を一度に相手取るだけなら大丈夫だが、閃牙も力を持っているかも知れない。

 もしそうだとしたら、魔族の相手をしながらでは戦えないだろう。

 

「コイツら以外にもまだここにいる」

「……………」

「……12時までにここから西にある廃ビルに一人で来い。そこが入口だ」

「……もし行かなかったら?」

 

 もちろん行くが一応聞いてみる。

 

「12時半から全校集会があるんだよなぁ」

「まさかてめぇ…っ!!」

「ああ、そこを襲わせる」

 

 そう言うと閃牙は踵を返し歩き出す。

 

「テメェに選択権はあって無いようなもんだぜ」

 

 閃牙は振り返らず魔族に乗って何処かに行った。

 それと同時に魔族も姿を消した。

 閃牙が後ろを向いた瞬間に魔族を消しておけば良かったと、今更思う。

 

「……聞いてたか?稲瀬」

『聞いてた聞いてた。もちろんノア君の事だから止めても行くんでしょ?』

「当たり前だ」

『別に止める気はないけど』

 

 ノアはフッと笑い、電話を切った。

 そして下にある体育館を見た。

 

「……12時か」

 

 今の時間は11時半過ぎ。

 ……今思えばこんなに電話に時間を使っていたのか。

 原因は佳弥だと思った。

 彼女は電話やメールがとにかく長いのだ。

 

「廃ビルに行く前にアイツの所に行かねぇとな」

 

 その時のノアは笑っていた。

 ノアは屋上を後にした。

長らくお待たせいたしまして申し訳ありません。

今度からは恐らくちゃんと投稿できると思います。

そして、挿絵ですが次回からこちらに載せるのはやめようと思います。

キャラ紹介の方に載せていきます。


では、次回予告仁科さん!お願いします!


(仁科)

「次回は第六話『肉を斬らせず骨を断つ』です。お楽しみに」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ