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D-JOKER  作者: カラクリ/あわぞー
魔族への切り札編
13/16

第十一話『霞霰と霞霙』

「さて、今回は皆来てくれたね~」


『D-JOKER』本部の最上階。

 そこにメンバーが全員呼ばれていた。

 前回は仁科しか来なかったそうだが、今回は全員来ている。

 ただ単にサボっただけなのか、伝わってなかったのか……。

 恐らく前者が多いだろう。


「今回君達を呼んだのは他でもない、地方支部調査の為なんだけどね」

「あー、もうそんな時期か」


 半年に一度、本部の者達が地方支部の調査に行くのだ。

 調査と言っても、少しだけ見た後、観光をするという者が多い。

 適当過ぎる。


「もう割り振りは決まってンのか?」

「そりゃーもう、決まってるよ。ただ、行かない人達もいるけどね」


 全員が行ってしまうと、本部がすっからかんになってしまう。

 そうなると、魔族が出た時、対処できない可能性があるのだ。


「今回は霊人君、ノア君、未来ちゃん、竜樹君に行ってもらう事にしてるよ」

「オレ行くノカよ」

「うん、それとついでに連れ帰って欲しい子がいるんだ」

「へぇ、本部に昇格する奴か。名前は?」

「えっとねー、名前は……」


 佳弥は数秒考えた後、思い出したらしく、その者の名前を言った。


「―――――かすみあられちゃんとみぞれちゃん」











 新幹線の中。

 今回行くのは大阪。


「……何で僕まで行かないといけないのかな?」


 ノア、霊人、未来は勿論いるが、何故か修也までいる。

 学校は普通にあるのだが……。


「何でって………このメンバーだとツッコミがいなくて大変だろ」

「そんな理由!?」

「別に良いだろ。親にも俺達がちゃんと話し通したし」

「いつの間に!?」

「何て言うか……寛容な人達だな」

「要するに楽天的な人達だったよね」

(言われてるよ、父さん、母さん……)


 未来が言うのだから相当な人達なのだろう。

 因みに、竜樹はここにはいない。

 乗り物酔いで潰れている。

 どこに行ったか、と言うのは既に見当が付いているだろう。


「ツーカ、新幹線ってツマンネェよな。乗客にイタズラしたくナっちまう」

「やめとけよ、お前のイタズラはマジで危ないから」


 霊人のイタズラは、恐らく力を行使するものとなってしまうだろう。

 一般人への力の行使は掟に反する。

 それを解っているので、霊人もイタズラしたくなるだけで、したことはない。


「そう言えば、修也は霊人の事知らねぇよな?」

「う、うん」

「コイツの名前は諏佐霊人。力の名前は『悲しき虚空の藁人形アメイジング・ドールマン』。能力は―――――」

「ソノ先は企業秘密ダぜ」

「……あっそ」

「アタシの力は『解放されし神秘ウィッシュ・アンド・ホープ』。要するになりたいものになれたり、欲しいものを手に入れたりできる力だよ!」

「へ、へぇー……」


 まさかこんな所で能力を明かされるとは……。

 新幹線の中での会話。

 どんな話でも適当に聞き逃していれば、大変な事になりかねない、という教訓なのかもしれない。

 修也は特に興味は無かったらしいが。


「そ、そう言えばさ、何で大阪に行くの?」

「地方支部調査兼観光だ。更についでにある人物を連れて来るよう頼まれてる」

「ある人物?」

「名前は霞霰と霞霙。双子らしいが、一緒に居る所(・・・・・・)は誰も見た事が無いらしい」

「それって……仲が悪いってことかな」

「さぁな、それと闘ってる所も見られた事が無いらしい」

「えっ!?」

「何ダと!?」


 未来と霊人が同時に驚く。


(闘ってる所を見られた事が無いって何かおかしいのかな……)


 そう言う面では、言ってしまえばド素人の修也には解らない。

 ノア達は数年間、魔族と闘ってきているのだ。

 修也から見れば、彼等はプロフェッショナルなのだ。


「……何でお前等そんな驚くんだよ」

「気分的に」

「要するにノリだよね」

「えぇー……」


 プロフェッショナルは気分とノリで行くらしい。

 随分と軽いプロフェッショナルだ。


「つーかさぁ、新幹線で大阪行くってのに雑談続けんのもどうなんだよ」

「何か地味だよね、要するにトランプしようよ」

「定番だな」


 と言う事でトランプゲームをする事となった。


「まぁ、まずは軽くナポレオンやるか」

「最初だカラな」

「要するに準備運動だね」

「ちょっと待って!ナポレオンって何?」

「え、修也知らないの?仕方ねぇなぁ、じゃあ、ツーテンジャック行く?」

「ゴメン、それも解らない……」

「はぁ!?これ以外に何があんだよ!」

「え、えーと………ババ抜きとか?」

「「「…………何それ?」」」

「……………」


 プロフェッショナルは、素人とは、トランプゲームの知識すら合致しないらしい。

 結局、修也が三人にババ抜きの仕方を教える形となったのだった。











「やっと着いたな」

「大阪やで!要するに観光や!」

「ちげぇよ、バカネコ」

「にゃん、ってちゃうわ!要するにネコやあらへん!」


 大阪に来て浮かれているのか、何故か関西弁で喋る未来。


「アンタ達が本部からの人達?」

「ん、ああ、そうだ。アンタが霞霰さん?」


 一行に話しかけてきたのは、薄い金髪の少女。

 背は低く童顔で、中学生くらいに見えるが、年齢はノアや修也と同じだ。


「ちゃうちゃう、ウチは霙の方や。よろしゅうな」


 霞霙が、一行を迎えに来ていた。

 しかし実は、霰もここに居たという事は、今のノア達が知る由もなかった。

(未来)

「まさかこんなどーでも良いような話でアタシの力の能力が明かされちゃうなんてね。要するに驚きだよ」

(風見燈環)

「どーでも良くは無いけどね」

(未来)

「ただ……また新キャラ出たね。要するにアタシの出番が減っちゃう」

(風見燈環)

「未来までそれ言う!?」

(未来)

「まぁ、その分描写されてない所で修也君と……キャッ」

(風見燈環)

「帰って来なさーい」


(未来)

「次回第十二話『二度笑う道化師』。要するにお楽しみに~」

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