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貴方と背中を合わせる理由。(仮)  作者: はつい
第伍縁:加速しない想いは恋じゃない・・・・・・?
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第ⅦxⅩ話:五人旅行の難易度は?

旅行編・・・無駄に長くなりそう・・・そして夏終わっちゃ・・・(汗)

 ベッドが置いてある洋室に六畳程度の和室。

それが皆が通された部屋だった。


「うわぁ、海が見えますっ。」


 部屋の窓から海が一望でき、潮騒の音も窓を開けば聞こえてくる。

オーシャンビュー、好条件の部屋だ。

だが、部屋をぐるりと見渡して静流には気になっている事があった。

はしゃぎながら和室に荷物を置いている杏奈と奏を視界に入れた後、静流は征樹と琴音を見る。

二人共荷物を置く様子がないところを見ると、自分の推測は恐らく当たっているだろうと。

特に琴音が荷物を置かないのだから、自分が置くわけにはいかない。


「征樹くん?」


「はい。」


「この部屋、ベッドが"3つ"しかないけれど?」


 自分でもワザとらしい台詞だと思いながら、静流は切り出す。


「えぇ、ここは三人部屋で、隣に二人部屋をもう一つ取ってあります。」


 やっぱり。と、静流は眼を光らせる。

琴音も同じ予測を立てていたのだろう。

五人で来て、3:2と分かれるのだ。

大部屋でなく。

荷物の中身を既に広げていた杏奈と奏の二人はしまったという顔をする。

つまりはそういう事だ。


「じゃ、征樹ちゃん、私達は行きましょう。」


 何事もなかったかのように琴音は、誰かが口を出すよりも先に征樹を促す。


「え?あ・・・。」


 困惑の声を上げているのは征樹だ。

露骨に"何でこんな事に?"と珍しく表情に出ている。


「久々にお姉ちゃんと家族水入らずね?」


 汚ッ!

琴音を除く女性陣全員が一様に心の中で叫ぶ。

久々も何も、琴音は実の姉ではない。

見事に姉的立ち位置を使い分けている。


「それは・・・それで構わないけれど。」


 マズい!


「ま、征樹くんは、私と一緒で!ほら、それなら普段と変わらないしっ。」


 勢いが昂じて、思わず抱え込むように征樹の肩を引き寄せる静流。

皆の反応が一切ない静まりかえった状況にはっとする。


「・・・和室に布団を入れてもらって、僕は一人部屋でもと思ってたんだけれど・・・。」


 静流の腕の中でも、冷静に自分の考えていた事を述べる征樹に、静流は落ち着きを取り戻していく。

というより、逆に顔だけが熱くなってきた。

当然、恥ずかしさでだ。


「た、確かに征樹くんが部屋を取ってくれたんだし、広々使うのも自由よね。」


 慌てて取り繕っても後の祭り。

夏の魔力がそうさせるのかなんなのか。

いい加減、征樹の事に関して熱くなり易いという事を自覚すべきだと、静流は深く反省する。


「でも、確かにその方が自然ね。どのみち基本は皆一緒なのだし。ね、征樹ちゃん?」


 意外な所から出た助け舟は、その内容も意外なものだった。

一体全体、今度の琴音の立ち位置はなんなのだろうか?


(からかわれているだけ・・・とか?)


 微笑みを崩さない琴音を凝視する静流だが、そんな事で簡単に答えが出るワケもなく。


「それで静流さんが構わないなら・・・僕はいいけれど?」


 理性的にも。と、付け加えるのは心の中だけで、征樹は声には出さない。

彼だとて思春期の少年。

だが、琴音と同部屋になるよりも、静流の方が幾分か慣れがある。

その分、きっと心の余裕も。


(姉に欲情する弟っていうのも、どうかと思うよね。)


 征樹の考えももっともだ。

実際、血は繋がっていないが。

旅行のハイテンションの波は、常に冷静・・・だと思われている征樹にも確実に及んでいるようだった。


「私も、それで構わないわ。」


 果たして、今の自分は普通に受け答えが出来ただろうか?

そう静流は思う。


「じゃあ、その方向で。」


 あっさりと通った提案に拍子抜けしつつも。

旅はまだ始まったばかり也。

只今、自転車操業中。

誰か、こんな作者に生温かい手を・・・ナマ?

頑張って日曜も更新します。

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