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貴方と背中を合わせる理由。(仮)  作者: はつい
第拾縁:ほら、そこに愛はある。
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第C&ⅨxⅩ話:ぷらんとぱたーん。

「そぉなの~、色んなトコに行ったのねぇ~。」


「あ、うん、そうなんだけれど・・・。」


 今回の企画(?)の一つのルール。

"誰と何処へ行ったかは公開情報"に基づき、征樹は琴音に皆と行った場所を話していた。

ちなみにもう一つのルールは"行き先は女性側が決める"である。

こうでもしないと、同じ場所に、所謂カブってしまうかも知れないからだ。

折角の征樹との二人っきりのデートだ、それは避けたいし、何か、こぅ、女のプライドらしきモノが負けた気がする。

何より比べられたりでもしたら、メもあてられない。

まぁ、征樹にそんな多才デートプランに関しての企画力があるわけがないと判断されたのが一番の原因だったが。


「なにかしら~?」


 征樹と楽しく日常会話とって風景にも見える流れではあるが、征樹は如何ともし難い、なにやら納得のいかない表情をしていた。


「色んな所へ行ったは、行ったけど、いや、それはいいとして・・・。」


「いいとして?」


 んん~?っと小首を傾げる琴音。

大抵の場合、それは確信犯だ。


「琴姉ぇは、こんな所(・・・・)でいいの?」


 二人がいるのは、近所のデパートと呼ぶ程ではないが、そこそこ大きいスーパー。

専門店が入っているような、今流行りの複合商業施設である。


「あらぁ?ダメなのかしらぁ?」


「ダメというワケではないんだけれど・・・。」


 そう、これは既に琴音と征樹のデートの一日の風景、それに突入しているのだ。


「そういえば~、前はここに水着を買いに来たわねぇ~。」


 出入り口付近にあるカートにプラスティック製のカゴを載せるという手慣れた流れを経て、征樹の傍に戻ってくる琴音。


「そういえば、そんな事もあったな・・・。」


 征樹にとって、もはや思い出したくもない羞恥プレーの一つである。

寧ろ、闇の中に葬りたい。


「ねぇ~。でも、今日は~。」


 るんるんと征樹の横に並ぶと・・・。


「お姉ちゃんが独り占め♪」


 するりと征樹の二の腕に自分の腕を絡め組む。


「・・・はぁ・・・琴姉ぇがいいって言うんならいいけど・・・。」


 先程も述べた通り、元来行き先を決めるのは女性側というのがルールだ。

琴音がそれでいいというのなら、征樹が異を唱える余地はない。

この方が勝手知ったる地元で、征樹にとって楽というのもある。


「はい、それじゃあ、お買い物デートにいきましょ~。」


 おーっと片手を上げる琴音の隣もそういう意味で耐える事にしようと心に誓う。


「ところで、何を買うの?」


「なにって?」


「だから、買い物の内容。」


 せめてそれくらいを知ったとしてもバチは当たらないだろう。

今まで行った場所だって基本は行き先=目的といった、直結して解るものだった。

だが、今回の場合は漠然としている。


「ん~、何にしようかしらねぇ?」


「決めて・・・ないの?」


 それはそれで征樹は少し呆れる。

だが、征樹のようにほぼ100%買う物が決まっている人間ばかりではないのだ。

などとは、彼には理解出来なかったらしい。


「大丈夫。今日はまだまだ時間があるわ。


 "1日デート"

その通り、まだ1日という時間の半分以上は残っている。


「まぁ・・・うん・・・。」


「たまにはこういうのも、いいわよ~?」


(そういうもの?ものなのか・・・。)


 今ひとつ納得出来ないうちに、琴音に腕を引かれるがまま、店の奥へと入って行くのだった。

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