第ⅩⅧ話:ロジックに全部が当てはまるハズがない。
早くもお気に入りにして下さった方がいますが、この話ってどうなんでしょうかね?
本当に手探りです。
「はぁ・・・。」
征樹を送り出した後、自分もジャージ姿から着替える事にした。
その最中にも色々と思考を整理していく。
結局、一緒に住む事の了解を得られていない。
まずは、この一点だ。
昨夜は目も合わせてくれもしなかった征樹の姿を見て、かなり参った。
だが、しかしっ!
(一緒に寝てくれた時点で、多少は打ち解けたハズだわ!)
避けられている(と、思い込んでいる)状態からの光明。
逆にくっつき過ぎて、混乱ないし、ドン引きされているとは全く思ってもいない。
正直、静流は困っていた。
今までこなしてきたどんな仕事だって、いざ仕事をし出したら周りは納得して評価をしてくれた。
中には何をしても女というだけで見下し続ける輩もいたが、今回はそういう類とは少し違う。
昨夜の征樹の魘され方。
あれがもし、彼の中で日常なのだとしたら、放って置くなんて事は出来ない。
あんな寝顔があどけなく可愛い少年を。
「可愛い寝顔・・・。」
それにくちづけをする自分。
(・・・・・・。)
思い出すと汗が吹き出してきた。
"未成年を襲おうとしている痴女"
そんなフレーズが出てくる。
これに関しては、静流自身も説明出来ない。
彼、葵 征樹という人間は、笑顔は曇りない歪さで、夜は孤独の中一人魘されて、涙して。
安らかに眠れた時の寝顔はとても可愛くて・・・。
あと、料理が上手くて、礼儀正しい。
とりあえず、現状わかっている、知っているのはコレだけ。
-護ってあげたい。-
昨夜のように安らかに眠れるようにしてあげたい。
腕の中に入れておきたい。
一緒に夕飯を食べたい。
もっと彼の事を知りたい。
その歪さも。
「そしてキスも?」
ここまで考えを整理して、最後にソレはないだろうと静流は自分に呆れて溜め息をつく。
何か締まらない。
結局、この感情は何なのだろう?と思う。
母性なのだろうか?
母性だとしたら、では、この自分の下着に出来た大きなシミは何と説明したら?
「・・・・・・はぁ・・・。」
一体、自分はどうしてしまったのだろう・・・。
本当に締まらない。