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貴方と背中を合わせる理由。(仮)  作者: はつい
第捌縁:送受信してみたら・・・・・・?
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第C&Ⅲ十Ⅳ話:笑う角には・・・?

年度末更新ですねぇ・・・。

そういえば、大晦日も更新したから、これも年末進行と言えたのだろうか?(苦笑)

「お墓参り?」


 鈴村達と出会ってから帰宅した征樹は、道中で考えて決断した結果を静流に告げた。


「いつも一人だったから、今まで行けてなかったけれど、どうかなって。お盆は過ぎちゃったけれど。」


 お盆といっても幼い記憶の母の墓は、日本の墓石というより洋風だったので、あまり関係ないかも知れないと征樹は思う。

そういえば、自宅に仏壇もない。

恐らく、母親は仏教徒ではないのだろう。

・・・父が、かも知れないが。


「それはいい事だと思うけれど・・・それって私達も?」


 征樹は"いつも一人だったから"と述べた。

つまりは、今年は一人じゃないから、イコール静流がいるからという事になる。

一瞬、自分と二人でだろうかとも静流の頭に過ぎったが、あえて"私達"とそこは答えておいた。


「突然だし、場所が場所だから・・・。」


 つまり、強制ではないが、来てくれたら嬉しいという事なのだろう。

感覚としたら付き添いといったところか。

しかし、墓参りの付き添い、まさにこれは"保護者代わり"たる自分がやるべき事ではないか!

恋人でも良かったが。


「征樹くんが行きたいのなら。」


 寧ろ、ウェルカム、大歓迎だ。


「ありがとう。」


「そうねぇ~、じゃあ、お弁当でも作って~ちょっと暑いけど、お外で食べましょ~か~。」


 珍しく誰の乱入がなく二人きりでの会話だったのだが、やはりそうは問屋が卸さなかった。

二人の会話を覗き込むように琴音が、部屋の扉の縁に・・・。


「で、いいかしらぁ?」


 一応、断るという事はないだろうが、琴音は征樹にお伺いを立てる。

こういう事は、細かい事かも知れないが、人間関係を円滑かつ円満に運ぶ為には必要なのである。


「うん、もちろん。」


 当然、征樹から返ってくる答えは、予想通りのものだった。


「ただの墓参りじゃ、面白くないもんね。」


 苦笑する征樹。

征樹にとっては、色々と考えた結果で、今の自分と皆とでという気持ちだったが、冷静に考えれば生没と名が刻まれた石と墓標(モニュメント)があるだけだ。

他の人間には些か味気ないものだろう。


「そんな事は・・・。」


 もっとも静流達からすれば、保護者代わりを自負する自分達が"本当の保護者"と対面するのだ。

それは非常に意味のある事だと思っていた。

たとえ、それが物言わぬ冷たい石との対面だとしても。

それに思い出し、偲ぶ悲しみを少しでも和らげ、分担できる方がいい。


「これなら、杏奈ちゃんも、奏ちゃんも後から合流出きるものね~。」


「琴姉ぇ・・・。」


 その優しい気遣いがどうしようもなく嬉しい。


「中身は何がいいかしら~?タコさんウィンナー?オマケしちゃって、イカさんウィンナーにしちゃう?」


 どうやらオマケされるのは、足2本分らしい。

色合いの問題は一体どうするつもりなのか。

少々興味がないわけではないところだ。


「それは琴姉ぇのお任せで。」


 お弁当は、開けるまで何が出てくるかびっくり玉手箱派な征樹である。

生まれてからこの方、弁当と言えばコンビニ弁当か弁当屋のものくらいなので、そういう楽しみは味わった事がなかったりするせいもある。

墓参りにお弁当とは、ミスマッチな感もするが、これはこれで"らしい"のではないだろうか?

征樹にはそう思える。


「はぁ~い。りょ~しょ~。」


 そう返事をすると、覗き込んでいた琴音がすすすっとフェードアウトしてゆく。

その様子を見た後、征樹と静流は互いの顔を見合わせて笑った。

次にこの笑いの輪の中に誰が入ってくるのだろう。

ふと、ニアが言っていた言葉を思い浮かべて、征樹はそんな事を考えた。

こうやって日々が過ぎてゆくのも悪くはないと思いながら。

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