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完全無欠の悪役令嬢はポンコツヒロインをほうっておけない  作者: Kei
プロローグ

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運命を切り開く

 クラリス・エヴァレットがその場に足を踏み入れた瞬間、会場を包むざわめきがすっと引き、張り詰めた静寂が訪れた。


 黒く艶やかな髪は優雅にまとめられ、白磁のような肌と漆黒のドレスの鮮やかなコントラストを描き出す。ドレスを彩る繊細なスパンコールは、シャンデリアの光を受けてきらめき、歩くたびに星々が瞬くようだった。


 その姿に、誰もが息を呑んだ。


 視線は自然と彼女に集まり、ただ立っているだけで会場の空気を支配している。

 美しさと威厳を兼ね備えたその姿に、人々は憧れと畏敬の入り混じった眼差しを向けた。


 黎明の空を映したような紫紺の瞳には、凛とした光が宿っている。

 その奥に燃えているのは、決して揺るがぬ確固たる決意──


 ──運命を切り開く。


 心の中で自身に言い聞かせる。背中を冷たい汗が一筋流れたが、クラリスの表情は微動だにしない。


 この夜は、ただの舞踏会ではない。

 彼女にとっては、自らの未来を左右する、最後の舞台なのだから。


 ──大丈夫。準備は完璧だ。


 グランドナイトガラ──エリューシア学園最大の行事である学園祭の締めくくりを飾る、華麗なる舞踏会。

 学園の伝統として受け継がれ、生徒たちは思い思いの装いで集い、社交を深める場でもある。


 クラリスは、この夜こそが自らの努力を報わせる時だと信じていた。

 この舞踏会が、運命を切り開く鍵になる。


 ──絶対に、ヒロインと攻略キャラに絆を結ばせてみせる!


 胸の奥でぎゅっと拳を握りしめる。

 悪役令嬢クラリス・エヴァレットの最後の戦いが、今、幕を開けようとしていた。

初投稿です。よろしくお願いいたします。

1ヶ月間は毎日投稿して、それ以降は土日に投稿しようと思います。

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(※音が出ます。音量にご注意ください)
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 『わたくしの推しは筆頭公爵令嬢──あなたを王妃の座にお連れします』
(クラリスとレティシアの“はじまり”を描いた物語です)

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(社畜OLと美形魔導師様の、逃げられない溺愛ラブコメです)

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 完全無欠の悪役令嬢はポンコツヒロインをほうっておけない
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