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異世界魔法のランナー旅団  作者: スパークノークス
第1章  別世界でのランニングライフ
3/37

第3話 旅団へようこそ!

【魔法のランナー旅団本部】

【寓話タウン、ルナ王国 】

【310年】

【10:00】



 ポータルを抜けると、目の前に巨大な要塞が現れた。目も明るさに慣れる必要があった。


「痛っ!目が!」


「ごめん!本部へようこそ!」


 目が完全に慣れてきたので、少女の方を見た。


 彼女は青い三つ編みのツインテールヘアに青い目、色白の肌をしている。服装は、黒のノースリーブパーカー、黒のショートパンツ、黒のランニングシューズだ。


「あなたは私のコーディネーターですか?」


「はい。レイラニと申します。よろしくお願いします!」


「そうですか。初めまして」


「こちらへどうぞ。司令室に行きます」


 レイラニが先導し始めた。歩いていると、トラックを走るランナーたちが見えた。しかし、彼らはフードを被っていない。


 その後、私たちは要塞の中に入り、いくつもの廊下を歩いた。



【司令室】

【ファブルタウン、ルナ王国 】

【310年】

【10:20】



 司令室に入ると、たくさんの大型スクリーンとコンピューター画面が目に入った。レイラニが説明を始めた。


「魔法のランナー旅団は、軍事的な魔法組織だ。我々の主な目的は、悪魔や異常現象を迅速に退治すること。また、我々は大軍事同盟の特別な軍事部門でもある」


「大軍事同盟?」


「大軍事同盟は、この世界の国々の軍事同盟だ。我々は魔帝国と戦争中だ」


「なるほど」


「大軍事同盟は、ルナ王国が主導している。ルナ王国は吸血鬼と人間が統治している」


「ちょっと待って、今ヴァンパイアって言った?」


「心配しないで。私たちは悪者じゃない」


 レイラニはウィンクして微笑んだ。


「あの…あなたは吸血鬼なの?」


 レイラニは素早く口を開け、牙を見せた。


「そうだよ!でも、血はオプションの食事だよ」


 私はほっと一息ついた。


「あなたが着ている黒いフード付きマントが見える? それは吸血鬼の魔法の一部なの」


「ああ」


「そのマントは、隠れるためにあるんだ」


「そのランニングウォッチは何をするの?」


「その腕時計があれば、呪文を使わずに魔法を使える」


「呪文を唱える必要がないの?」


「そうだ。ランニングウォッチが呪文を唱えてくれる。魔法のランナーにとって、1秒1秒が貴重なんだ」


「なるほど」


 突然、壁に取り付けられたスピーカーからアナウンスが流れた。


「注意!旅団長が司令室に入室する!」


 全員が椅子から立ち上がり、胸の前で手を合わせて敬礼を始めた。その間、一人の女性が部屋に入ってきた。


 その女性は、金色の髪、エメラルド色の目、色白の肌を持ち、指揮官の帽子と黒い魔法のランナーのユニフォームを着ている。


「仕事を続けろ!」


「了解!」


 彼女は私に近づいて挨拶をした。


「はじめまして。私はサラ中佐です」


「はじめまして」


 サラ司令官はレイラニの方を見た。二人は互いにうなずいた。


「中丸ミキチ。正社員として採用したいのだが」


「正社員ですか?」


「はい。あなたはここで暮らすことになります。日当を支払い、レースにはスポンサーとして参加してもらいます」


「ボストンマラソンの出場費は含まれるのか?」


「はい。それに、地球にある世界陸上競技連盟の理事会と秘密裏にコネクションがあるんだ」


「この仕事、引き受けます!」


「あなたに来てくれてうれしい」


 レイラニとサラ司令官は、ともに微笑んだ。


 突然、部屋中に赤いランプが点滅し始めた。


「警報!コードレッド!」


 サラ司令官が尋ね始めた。


「コーディネーター!何が起こっているんだ?」


「司令官!ダンジョンにいる魔法のランナーとの通信が途絶えました」


「別の魔法のランナーを派遣して彼らを救出しられますか?」


「無理だ」


 サラ司令官は私の方を向いた。


「中丸ミキチ。君を派遣する」

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