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異世界魔法のランナー旅団  作者: スパークノークス
第1章  別世界でのランニングライフ
19/37

第19話 ゴースト泥棒 (8)

【旅館】

【ショッピング街 】

【バラの都、ルナ王国 】

【310年】

【12:20】


 サラ司令官は執務室で小説を読んでいた。


 突然、アナウンサーが警報を告げた。


「警報!コードレッド!コーディネーターのレイラニと魔法のランナーのミキチが風の魔王に遭遇した!」


 サラ司令官は小説をテーブルに落とし、部屋の外に出た。そしてコーディネーターたちに近づいた。


「コーディネーター! 状況報告は?」


「レイラニコーディネーターが風魔神を報告しました。憑依タイプ」


「レイラニコーディネーターとはまだ連絡が取れているのか?」


「いいえ」


「わかった。応援を派遣できるか?」


「ダメだ。それに、ポータル展開を悪魔が妨害している」


「そのエリアを巡回中の遠征チームがいるか?」


「いいえ」


「彼らを信頼しよう」



 ***


【森林地帯】

【ローズシティ、ルナ王国】

【310年】

【12:33】



【呪文:ファイアボール】


 私は、空を飛ぶ風魔神に対して複数の火の玉を放ち始めた。しかし、風魔神は風障壁でそれを防いでいる。


「ミキチ。俺たちは少し有利だ。風魔神は本来の体を使っていないから、本来の力が出ていないんだ」


「なるほど」


「あと、ゴーストシーフがそちらに向かってる」


「うーん、それはまずいニュースだな」


「心配するな。俺はゴーストシーフを食い止める。お前は戦い続けろ」


「了解」


 そこで私は、アース魔法に切り替えることにした。


【呪文:ストーンエッジ】


 私は風魔神に対して岩の棘を放った。岩の棘は風障壁を突き破った。


 しかし、風魔神は岩の棘をかわした。


「お前の岩の棘は遅すぎる!」


 風魔神は笑った。


 その間も、私は風魔神王の周りを走り回った。


【呪文:シールド】


 私は空中に複数の盾を浮かべた。そして、魔法の盾を踏み台にして、風魔神に近づいた。


 彼に近づいたところで、私は霊剣を取り出して一撃を放った。


 しかし、風魔神は素早く緑色の剣を構え、私の攻撃をかわした。


「チッ」


「お見事! これで倒れるはずだ!」


 風魔神は宙に浮いた複数の魔法の盾を狙い、空中斬りで破壊した。


 地面に落下し始めたので、私は別の呪文を唱えた。


【呪文:ウィンドジャンプ】


 私の足元に旋風が巻き起こり、衝撃を和らげてくれた。


 地面に着地すると、さらに多くの空中斬撃がこちらに向かってきた。しかし、私は疾走して空中斬撃をかわした。


 そして、木々の陰に逃げ込んだ。


「ふむ?逃げるのか?」


 風魔神は笑った。

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