表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅色のオージェ  作者: 上条 樹
3/13

見たことのない少女

「真一君!早く!」この女は早くしか言うことがないのか?

アパートの階段下から蘭は風で揺れるスカートの裾を押さえながら、玄関の鍵を締める俺の姿を見上げている。季節はずれの台風でも近づいているのか、いつもよりも風が強い。


階段を降りる途中、視線を感じてその先を見ると見覚えのない少女の姿が見えた。長い黒髪に透けるような白い肌、蘭と同じ制服を着ている。彼女の黒髪が大きく風に揺れている。それを気にしないように彼女は鋭い視線でこちらを見つめている。


「真一君、どうしたの?」蘭の声に俺は我に返った。


「いや……、あの子は……」もう一度、同じく場所を見ると、そこには黒髪の少女の姿は無かった。まるで先ほどまでの光景が、嘘のようであった。


「なに?」蘭は訝しげな顔で俺を見つめる。


「……なんでもない……」説明するのが面倒くさくなった。


「変なの……」蘭は呆れたような顔をした。彼女は俺が階段から降りた事を確認してから、俺の背中を押して通学を即した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ