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どうやら俺は誘われたらしい。

 シジュウカラだろうか、小鳥のさえずりが頭に響く。

 少し怠い体を起こし、スマホを手に取り時間を確認する。

 

 10:26 

 

 スマホの時計にはそう表示されていた。

 「コンコン」と扉をノックする音が聞こえ、俺が「どうぞ」と答えると扉が開いた。


 「よぉ、起きたか!」


 中に入って来たのは最近家に居候している琴音姉さんだった。

 上はキャミソール一枚に下は短パン。

 かなりラフな格好で俺には刺激が強かった。

 夏だという事もあり、エアコンがないと室内の気温は30℃近くまで上がり、外は30℃を余裕で越えていた。

 俺は琴音姉さんの服装を気にしないように、顔を見て話すことにした。


 「起きた起きた、朝からうるさいなぁ」

 「ほら、起きろよぉ! 可愛い可愛いお姉さんが相手してやるからさ!」

 

 琴音姉さんはそう言うと俺の腕を強引に引っ張る。

 朝からうるさいし何より起きたくない。

 東京旅行の疲れは流石に抜けたが、今度はこの人のせいで疲れが溜まっている。

 

 東京旅行終了後、俺はマネージャーの田口さんに連絡を取り、琴音姉さんの事を相談をした。

 相談内容は琴音姉さんの居候の件について。

 俺は配信を実家でしていて、琴音姉さんが住み着くと配信に影響が出る可能性がある。

 その事を相談した結果、仕方が無いということでストリーマーの件は話して良いということになった。

 

 だがあくまで、俺の事だけを説明するという事になりみるくや心々音の事はバレてしまうのなら仕方が無いが、なるべく黙るように言われた。


 「ほら、今日もHEROXするぞ!」


 琴音姉さんは俺の事を知るや否や「HEROX!? 話題になってるやつじゃん、私もやりたい!」と言ってきた。

 案外俺の事に驚いている様子は無く、どっちかっているとHEROXがやりたい様子だった。

 

 流石にパソコンは貸せないので、昔買っていたHEROXの出来るCS機器と俺の使っていた古いモニターを姉さんに貸してあげた。

 するとまあ見事にハマってしまい昨日は深夜2時まで付き合わされた挙句、今日もこれから12時間コースとのこと。

 最悪だ、確かにHEROXは好きだがもうやりたくない。


 「ほら、早くやろーよ!」

 「分かった分かった、ちょっとまて」


 俺は渋々パソコンを起動させて部屋を出た。

 というのも起きて間もないため口の中が気持ち悪い。 

 俺は洗面所でうがいをした後、部屋に戻って琴音姉さんとカジュアルに行った。


 ~~~


 朝ご飯と昼ご飯も食べずにHEROXをやり、時刻は1時を回った。

 お腹が空いているせいか集中力が切れてきた。

 こんなにHEROXをやったのは中学生以来だ。

 

 「いや涼真強すぎでしょ!」


 ショットガンで最後の敵を倒し、この試合もチャンピオンとなった。 

 これで5連勝、琴音姉さんのアカウントには5連勝を達成すると貰える『チャンピオンマスター』の称号が表示されていた。


 「流石に疲れた。一回休憩する」

 「えー、まあいいや。じゃあ休憩したらまたやろうねー」


 琴音姉さんはそう言い俺の部屋から出て行った。

 あの人は体力がありすぎる。

 昨日12時間コースでやった時も、俺が休憩している間もカジュアルをプレイしていたしランクマッチに関してはプレイ初日でプラチナムまで上げていた。

 化け物だ、あの人は。


 俺はHEROXを落とし、エゴサーチがてらTwltterを開いた。

 みるくや夏南がいいねしたものや他にフォローしているstarAliveの先輩方の投稿が流れて来る。

 一通り目を通し、Twltterを閉じようと思った所DM欄に通知が来ていた。

 誰かと思いDM欄を開いてみると、マネージャーの田口さんからだった。

 

 内容としてはHEROXの大会に出てみないかというもの。

 大会名は『EMカップ』と言い『エキサイトマジック』という超有名ゲーミングチームが主催する大会で、プロゲーマーから有名ストリーマーが集まる大会だ。

 最近ではVtuberの方も参加していて、かなり注目を集めている。


 そんな大会から直々にお誘いがくるなんて、俺からしたら最高に嬉しい。

 なんなら第一回から見ているぐらいのファンなので嬉しすぎる。

 しかも、田口さんによると俺がリーダーとなりあとの二人のメンバーを自分で誘っても良いとのこと。

 

 俺は田口さんに俺が大会に出るという旨を伝えてもらう事にして、大会のメンバーを探すことにした。

 といっても、一瞬で見つかったんですけどね。

 そう、いつものメンバーみるくと夏南と俺『みるみなりょー』で出る事になった。


 まず夏南の中の人間、宮下心々音に連絡を取ると一瞬で返事が返って来て「絶対出る!」と来た。

 一人目のメンバーを確保して、次にお隣に住んでいる中山みるくさんに連絡したところ「ほんとに!? 出たい出たい!」と返信が来て、メンバーが決まった。


 田口さんが取り付けてくれたのか、大会本部のDiscordingに招待された。

 既にかなりの人数が参加しており、有名ストリーマーから世界大会に出場した選手の名前まで見えた。

 急な事過ぎて俺はここに居ても良いのか分からなくなってしまったが、すぐに大会本部から個人で連絡が来た。


 改めて参加メンバーの選出方法や大会中の規約、その他のルールなどを説明され運営側から『もうすでにメンバーは決まっていますよね?笑』とメッセージが飛んできた。

 俺はそのメッセージを見て鼻で笑った後「はい笑、まさかいつも見てくれてるんですか?」と返信した。


 「みるみなりょーの皆さんのHEROX配信は凄く面白くて毎回見させてもらっていますよ笑、その皆さんでメンバーを確定しても良いですか?」


 俺はこのメッセージに対して「メンバーはそれで確定でお願いします! いつも配信を見てくださってありがとうございます!」と返信した。

 

 『では確認いたします。中野みるくさん、三星夏南さん、RYOさんというメンバーで大丈夫ですか?』

 『はい』

 『お二人にはしっかりと連絡されていますね?』

 『はい、先ほど確認して二人とも出るということを確認しました』

 『分かりました、ではこちらで確定いたします。カスタムの日程、そして大会当日の流れはまた連絡いたしますのでよろしくお願いします』


 俺は『了解です。大会楽しみにしています! お誘いありがとうございます!』と返信しDiscordingを閉じた。

 琴音姉さんに「ねー、休憩まだー?」と言われ俺は渋々HEROXを立ち上げた。


 しかし、大会か。

 本番の日程はまだ分からないがこれからが楽しみだな。

 心々音とみるくと出られるし、優勝すれば景品だって貰える。

 俺は期待と興奮で胸を躍らせながら、再度琴音姉さんとカジュアルマッチに行くのであった。

 

 


 

 

すみません、もう一本の方投稿すると言っていたのですが無理そうです。

今日3回目のワクチンだったんですよね、副反応で体が寒いです。

明日は投稿したいんですけど、如何せん副反応があるので何とも言えません。

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