表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/63

どうやらみるくはとある女子に呼び出されたらしい。

 5時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。

 「起立、礼、ありがとうございました」

 「「ありがとうございました!」」


 号令が終わると、トイレに行ったり友達の元に行ったりと各々で行動が分かれる。

 そんな俺はトイレに行くわけでもなく、かといって友達の元にも行かない。

 今日の6時間目はLHR(ロングホームルーム)

 そう、学校祭について話し合う時間になっている。

 クラスのみんなはあまり気にしていないようだが、俺は気にする。

 やっぱり学校祭と言ったら恋愛イベントが発生するもの!

 だと俺は思っている。

 だって、アニメとかギャルゲーとかやったり見たりしてて思うけど、大体イベント起きてるんだもん。

 俺だって、恋したいよ。

 あ、クラスで一番可愛いと女子と会話したり小動物系の幼馴染と一緒に配信したりしてるじゃんて言う奴がいるかもしれないけど、あれは例外ね。

 あれはもう、奇想天外過ぎて何かもう無いわ。

 でも、魅力的な事されたらワンチャンあるかも。

 何言ってんだ俺。


 こんな事を心の中、一人で語っていると休み時間終了のチャイムがなった。

 チャイムと同時に先生が教室に入って来て、教団の前に立ったのを確認すると日直が号令をかけた。


 ~~~


 時は進み、授業も半ば。

 俺の周りにはいつものメンツが揃っていた。


 「でさー、りょーくんはダンス、何やりたいの?」


 今の会話の議題はダンスのテーマ、そして何の曲を使い踊るのかというもの。

 ダンスの方が良い!と言った割には最近の流行りとかも分からないし、決まった物を覚えて踊れば良いだけだと思っていたから、こういう質問は返答できない。


 「俺は、最近何が流行ってるか分からんからなんでも良い」

 「えー、うるせぇよ知ってたじゃん」

 「あれはテレビでたまたま見たから調べただけ」

 「ふーん、心々音ちゃんは?」

 「うーん、そうですね。実は私もあまり流行に疎いので……」

 「えー、皆しらないじゃん。長谷部くんは?」

 「俺に来るかぁ、言いづらいけど俺も分からん」

 「うそぉ、私も知らないから皆だめじゃん」

 「おっと胡桃さん?こっちにはまだ(カシラ)がいるぜ……?」

 

 亮がニヤリと悪そうな笑みを浮かべると紅音さんの方を手を差し出した。

 

 「こちらにいらっしゃる紅音先生は、流行に疎い皆様と違っていつでも最先端を知ってるのです!」

 

 一同が「おー」というリアクションをした後、手をパチパチと叩き小さな拍手が起こった。

 紅音さんは「ちょ、はせっち!」と照れ臭そうにして、髪先をくるくると手でいじっていた。

 別に嫌そうにはしていなかったのでなぜかほっとした。

 

 「う、うちだってあんまりしらないし……で、でも少し前に流行ったやつだったら、今ってスマホ使っていいんだよね?」


 学校祭の議題について、調べたい事があったらスマホを使っても良いという担任からの説明があった。

 それに則って、紅音さんはスマホを取り出すと何個か動画を見せてくれた。

 動画の内容は韓国のアイドルがポップな曲に合わせて特徴的なダンスを踊るというもの。

 

 「私も最近の物は知らないんだけど、ちょっと前にこれが流行ってたみたい」

 「そうなのか、紅音は詳しいな」

 「うっ……そんな……こと、無いよ……」


 もう、こいつら付き合えよ。

 前に亮に「紅音さんと付き合ってるの?」って聞いたら濁した言い方されたけど。

 普通に亮はカッコ良いし紅音さんも可愛いからお似合いだと思うんだけどな、やっぱり幼馴染だから――とか理由があるのかな。

 しかし、不覚にも照れた紅音さんは可愛いと思ってしまった。


 「はい、じゃあ話し合いはここまで!みんな~席について~」


 学級委員長からの号令があると、席移動していた人たちは席に戻っていく。

 周りにいたいつものメンツたちも「じゃあ」と言い前と同じように戻って行った。


 「しかし、何になるのかな~」

 「わかんね、まず最新が分からんもん」

 「それもそうだな」

 

 亮と一言交わしたところで、考えた案を出すように指示が出た。

 昔流行った物から最新の物まで、中にはコサックダンスもあった。

 流石にコサックダンスが出た時は周りがザワついたがすぐに他の意見が出て来たため、すぐに落ち着いた。

 多数決は同調圧力の面などからも考慮して最終案にしようとなったが、結局時間内に意見がまとまらなかったため、多数決になった。

 コサックダンス、紅音さんが言ってたやつ、韓国のイケメンアイドルが踊っているやつ、その3つの案で多数決をすることになり、最終的に紅音さんが言っていた韓国のアイドルグループのものになった。

 不満そうな人もいたが、多数決じゃこうなってしまうのも仕方が無いと学級委員長が諭して何とか落ち着いた。

 

 ここで6時間目終了のチャイムが鳴り、授業は終わった。


 すぐに帰りのHRとなったが特に連絡もなく、即解散となった。

 今日は掃除も無いし、みるくも掃除が無い事は確認済みだったので一緒に帰ろうと思っていたらみるくの姿が見当たらない。

 廊下に出てみると、一人の女子と一緒にみるくがびくびくしながら歩いて空き教室に入って行った。

 何かおかしいとも思ったが、何か大事な話の可能性もある。 

 盗み聞きは良くないと思い、俺は待つことにした。

 

 

 教室で待って10分程たった所で扉が開く音がした。

 みるくと一緒に空き教室に入って行った女子が出て来てすぐにカバンを持って階段を降りて行った。

 急いでいたのか、カバンを背負うことなく手持ちの状態で走って行った。

 しかし、あの女子は出て来たのにみるくは出てこない。

 何かあったのかと思って急いで空き教室に行くと、そこには泣いているみるくの姿があった。

 


 

あんまりダークな感じは好きじゃないのですが、こういう展開も入れないとダメかなと思いまして。

次回もこの話の続きになります、あと2か3話でこの部分は完結させる予定です。

最後に投稿者のモチベーション維持に繋がりますので評価、ブクマの方をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白く一気に読ませてもらいました これからも更新頑張ってください 応援しています [一言] 個人的にはダークな雰囲気は好きでは無いですが読み続けたいと思います PSたまには2話更新と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ