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エッセイ集

小説はアニメの劣化コンテンツ?

作者: たてみん

ちょっとしたコーヒーブレイクにどうぞ。


近年、若者の小説離れが囁かれているとか風の便りで聞いたのですが、同時に話題に出るのは、小説とマンガとアニメでどのコンテンツが優れているのか、みたいな話が挙がったりもします。


中にはマンガはアニメから音声や絵の動きを抜いたもので、小説はマンガから絵を抜いたものだ。だから、


アニメ>マンガ>小説


のように一番アニメこそ価値のあるコンテンツだ、なんて暴論を聞くことも時々あります。


さて、そこで考えてみたいのは小説は本当にアニメやマンガの劣化コンテンツなのでしょうか。というお話です。

勿論、好き嫌いや賛否両論あるのは確実なので、ただの一意見だと思って読んで欲しいのですが、

結論を先にいうと私はこれらに優劣はない、という立ち位置です。


それを踏まえたうえで、それぞれの良いところなんかを考察していけたらと思います。


まずアニメの特徴は実際にキャラクターが動き、話し、情景もひと目で分かる事でしょう。

マンガの特徴は静止画の連続で音声が無いこと。あと多くの場合、白黒です。

小説の特徴は絵も音もなく(挿絵はありますが)、全てを文字で表現していることです。

これだけ書くとアニメが一番情報量が多いですね。


でもここで問題です。

情報量が多いことは必ずしも長所ではないということです。

例えばマンガを先に読んでいて、それがアニメ化されてみたら「思っていたのと違う」と思ったことは無いでしょうか。

特に「そのキャラにその声はちょっと……」なんて思った経験はありませんか?

もしくは「そこの動きはもっとこう……」ともやもやすることとか。

実はこれ、マンガにはない音声や情景を読み手が自分の好きな形で脳内補完している為に起きる現象です。

小説から入った人も同じような経験をすることがあるでしょう。

つまり人は、そこに無いものをあたかも在るように想像を膨らませながら楽しむ事が出来る存在なんです。


台所に並ぶ食材を見て「美味しそう」って思う人もいれば出来た料理を食べて「美味しい」って思う人もいます。勿論両方思う人も思わない人もいます。

「食べなくても分かる」って言う人もいれば「食ってから言えよ」って言うのも聞きますよね。

そんな違いです。ていうと逆に分かりにくいでしょうか。


続いてそれぞれの苦手なものも見ていきましょう。

アニメで難しいのは言葉では表現しにくい心の中で思っていることや、歴史背景など。手紙の内容も誰かに読んでもらう必要がありますよね。

小説なら1ページまるまる年表などを記載しても問題ありません(興味無い人は飛ばします)。

対してマンガや小説で難しいのが躍動感や緊迫感など。

小説で激しいバトルシーンがあった場合、完全にそれを文章で表現するのは難しく、読み手の想像力に期待する部分が出てくるでしょう。

また、自分の読む速度と関係なく進む話の展開に、思わず手に汗握るのはアニメの得意分野です。

逆に小説は1ページ読むたびに「なるほどなぁ」とじっくり浸る事が出来ます。

他にはファンタジー系の不思議生物やSFのロボットなどは言葉では表現しにくく、絵で伝えるのが確実です。

例えばポケモンが小説だったらここまで大ヒットしたでしょうか?

もしかしたらしたかもしれませんが、アニメやマンガのように「ポケモン達が可愛いから好き」「可愛いポケモン達が一生懸命バトルしてるのが萌える」という感想は出にくかったでしょう。


ちょっと見方を変えて。

言葉には、純文学や詩のように、表現の美しさというのを人は感じとることが出来ます。

「月が綺麗ですね」という言葉が「あなたを愛しています」と解釈されたり、その返事が「死んでもいいわ」なのに「私もあなたを愛しています」だったり。

また、同じ「愛している」という一言でも、ぶっきらぼうに言っているのか笑顔で言ってるのか。早口なのかゆっくりなのか。大声なのか囁きなのか。伝わるものはそれぞれ違うでしょう。

たった一言でも、アニメなら言った人の思わず涙ぐむほどの感情を私たちの胸に届けてくれるでしょう。マンガならまるで自分に向けて言われたかのように受け止める事が出来るでしょう。そして小説なら自分の願望を100%叶えた情景がそこに広がっているでしょう。


そんな感じで、

アニメは作者がその想いをそのまま渡す事が出来るし、

マンガは読む側が自分のペースで話を進められて登場人物たちの声を自分で話して聞いてるように受け止められるし、

小説は声の雰囲気から表情、景色に至るまで読みながら妄想を膨らませられるものです。

どれが良い悪いなんて無いんです。

アニメだってマンガだって小説だって、好きになれるものもあれば全然面白くないものもあるんですから。


ちなみに小説を読んで情景がイメージできない場合、原因は主に作者側の問題です。

話が支離滅裂だったり間が抜けすぎてたりすると読んでて疲れます。

逆に上手い人の作品は気が付けば徹夜しそうなくらい、その世界観にのめり込めるものです。

私の作品は……どちらかと言えばまだ前者ですね(汗)

願わくば文章だけで皆さんをハラハラドキドキ、感動も景色も何もかもがカラフルにイメージ出来る作品を創りたいものです。



ちなみに私はマンガやアニメを創れる方々を尊敬してます。

私には逆立ちしたって創れそうもありません。

彼ら彼女らはまさに天才なんじゃないでしょうか。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] んーいや、実際アニメが一番優秀な表現方法だと思いますよ。 その三つの中で作者が表現したいことを過不足なく表現できるのは、音や動きによって場の空気感まで表現できるアニメだけです。 ただそ…
[一言]  昔は「絵がついてるからマンガを読むのはばか」とか言われてたんですよ。  その理屈なら映画とか全滅ですね。音までついてますからね。  わたしはどんな小説でも情景をはっきりしっかり思いうかべ…
[一言] マンガはだいたい最初からネーム(絵)を作り始めますが、アニメは確実に脚本・シナリオという文章がなければ作れないのですが、この手の話ではあまり触れられないんですよね。
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