木崎君の秘密の事情(後編)
「木崎君って、学校で会うのと外で会うのとじゃ、なんか雰囲気違うよね?」
木崎君とケーキを食べた翌週の日曜日。
あたしはまたもお母さんに夕飯の差し入れを頼まれて、おじちゃんの家に来ていた。
そして、ちょうどおじちゃんの所に遊びに来ていた木崎君と会ったため、現在2人でおじちゃんの家の縁側に座って、仲良くお茶を飲みつつ談笑中。
家主であるおじちゃんは神社の掃除があると言って、あたしと木崎君に留守番を頼んで出かけて行った。一応「手伝おうか?」って声を掛けたんだけど、笑って断られてしまった。
うーん、昔からおじちゃんは掃除の手伝いをさせてくれないんだよね。楽だからいいけど、なんだかなぁ。
それはともかく、おじちゃんの家は木崎君と2人きりでじっくり話せる絶好の機会。
あたしはとりあえず、木崎君と仲良くなっておこうと、この一週間でなんとなく気がついたことを彼に尋ねてみたのだった。
「そう?」
「うん。なんか、学校だといっつもぼーっとしてるけど、今とか、先週の日曜日とかは、そんな風じゃなかったよ」
不思議そうに首を傾げる木崎君、あたしは目一杯力強く頷いた。
そう、木崎君と初めてまともに話した日曜日の翌、月曜日。
教室で会った木崎君は、相変わらずのぼーっとした変な人だった。
それでも一応、あたしに気づいたら「おはよう」と声をかけてくれたんだけど、元々同級生に挨拶はする人だから、それは別におかしくない。学校の中で特にあたしに話しかけてこないで、ぼーっとしているのもいつも通り。
ただ、あたしは1週間、木崎君をこっそり観察していて、気がついたのだ。
おじちゃんの家で会った木崎君は、ちょっと変わっていたけど、ちゃんとした感じだった。なんていうか……「自分」というものをきちんと表に出していた気がする。
それなのに、学校の木崎君は、「何でもできるけどぼーっとした変な人」で、存在感が有るのに無い、という感じなのだ。「自分」がちゃんと表に出てなくて、「学校に通っていますよー」というプログラムが木崎君に入力されていて、それが自動的に実行されているような気がした。
そんな、ある意味失礼なことをあたしが言うと、木崎君は少し考え込むようにして黙った。
そして、暫しの沈黙の後、おもむろに立ち上がってあたしに正面から向き直った。縁側に腰掛けているあたしは、自然、木崎君を見上げる形になってしまう。
「野中さんって、結構鋭いよね」
いつも通り、どこかぼんやりした調子で、しかし普段よりもずっと静かで落ち着いた目で木崎君は言った。
「……え? 何が?」
「うん。僕に『学校に通っている』っていうプログラムが入力されてて、それが自動的に実行されてる、とか」
「えっと……。それはあの、単なるものの例えっていうか」
困った。
木崎君に変なお世辞とかは失礼な気がして、なんとなく冗談めかして思ったことをそのまま口にしただけなのに、こんなにまともな反応が返ってくるとは思わなかった。
どうしよう、もしかして怒っちゃったかな、と内心で冷や汗を流しまくっているあたしに構わず、木崎君はそのまま言葉を紡いだ。
「言い得て妙、かな。野中さんの例えは、本質を捉えてる」
木崎君は別に怒ってはいないのか、ふっと小さく笑った。
「ほ、本質って?」
「うん。僕、小さい頃から人が多いところって苦手で、本当は学校になんか通いたくないんだよね」
「ええっ?!」
予想外の発言に、あたしはびっくりして木崎君を見つめた。木崎君は不思議そうにして、「そんなに驚くことかなぁ」とぼんやりと言った。
「別に人嫌いとか、そういうんじゃないから安心して。
授業も学校行事も楽しいし、クラスの人も好きだから」
あたしを安心させるように言われた言葉に、しかしあたしは今度も衝撃を受けた。
……木崎君、授業、楽しいんだ ?ぼーっとあらぬ方向見てるだけなのに?
今の言葉を先生方が聞いたら、感動するよりも脱力する先生の方が多いんじゃないだろうか。
入学当初、あれだけ必死に叱り、宥めすかしても結局授業中にぼけーっとしていた木崎君が、実は授業を楽しいと感じていたとは。
……むしろ「お前は教師を馬鹿にしてるのか」って怒るところかな……。このことはあたしの胸に秘めておこう。はい、決定。
「ただ、人が多いと……どうにも、煩くって」
本当に嫌そうに顔を歪めて、木崎君は言った。
そんな風に嫌悪感いっぱいな表情も、あたしは初めて見た。
「煩い?」
「うん。……多分、他の人は気にならないのか、聞こえてないのか、よく分からないけど」
そう言って、木崎君はふっと視線をあたしから外して空に向けた。難しそうに綺麗な顔を歪めたまま、言葉を続ける。
「物心ついた頃から、かなぁ。
気がついたら、普通に話してる人の声以外にも、僕にはいろんな『音』が聞こえて、それが煩くって。耳を塞いでても聞こえるから、何かの病気かと思って色々と病院に連れて行ってもらったけど、どこにも引っかからないから、結局『これ』が何なのかは僕にもよくわからないんだけど。とにかく、ずっと音が聞こえる。人が多いところほど煩くて、少ないところほど静か」
木崎君は空を見上げたまま、両手で自分の耳を塞いだ。そして目を閉じ、小さく息を吐いた。
「声でもないし、ほんとに『音』としか言えないんだけど。
とにかく、学校なんか最悪。人が多いから、煩すぎて普通にしてたらしんどくなる。だから、学校にいる間はあんまり自分の意識をしっかり持ってないんだ。それこそ野中さんが言ってた通り、『学校に通っている』状態のプログラムを自分で自分に入力して実行してもらってる」
そう言って、木崎君は目を開けて静かにあたしを見た。
……随分、突拍子も無い話だ。
他の人間が言ってたら「何こいつ? 電波?」とか思うところだけど、何せ相手は木崎君。これは冗談でもなんでもない、木崎君が他の人には話していない、本当のことなんだろう。
なんであたしがこんなに簡単に木崎君の話を信じるかっていうと、木崎君の学校での態度と今の態度の差に「『音』が煩い」っていう理由があるなら、納得できるからだ。
それくらい、学校での木崎君と今の木崎君には違いがある。
今の木崎君は、学校での木崎君より普通の男の子っぽい。やっぱりぼけーっとした雰囲気はあるけど、それでも言葉のひとつひとつにちゃんと感情が宿っている。それに比べて、学校での木崎君は、なんていうか、そういう感情がほとんど表れていない。
……もしかしたら、先生方の何人かは、ある意味「殻」に閉じこもって自分を守っている木崎君を心配して、色々注意していたのかもしれない。
そう考えたら、木崎君の授業態度についてかなり早い段階で注意がなくなったのにも頷ける。なんだかんだいって、うちの中学の先生はいい人が多いから、木崎君の態度が本人の強い意志で変えないでいる「殻」だ、ということにちゃんと気づいたんだろう。
「……木崎君って」
「うん?」
両耳を塞いでいた手を放して、木崎君は小さく首をかしげた。剛毛のあたしには、木崎君のさらさらとした細くて柔らかそうな黒い髪が非常にうらやましい。
「『音』が聞こえるだけ?」
あたしは授業中、ずっと窓の外を見つめていた木崎君の姿を思い出して、そう尋ねた。
単にぼーっとしてるだけかもしれない。でも、1週間、ストーカーのごとく木崎君を見つめていたあたしには、木崎君が『何か』から頑なに目を背けているように感じた。
「人の多いところだと、何か……見たくないものが見えるんじゃないの?だから、授業中、ずっと外を見てるんじゃない?」
ある種の確信をもって言ったあたしに、木崎君は虚を突かれたような顔をして黙り込んだ。
もし違っていたら、かなり失礼な奴だ、あたし。
でも、何故なのかは分からないけど、ここまで木崎君が、恐らくずっと秘密にしていたことをあたしに話してくれたんだ。どうせなら、全部吐かせてしまえ。
あたしの心の声が聞こえたのか、どうか。
木崎君は本当に困ったような顔をして(これも初めて見た!レア顔。なんか可愛い)、それから長い溜息をついた。
「……野中さんって、ほんとに鋭い。
もしかして、僕のことを先週ずっと見てたの、何か僕のこと、疑ってた?」
「えっ、気づいてたの?!」
「そりゃ、授業中だけじゃなくて休み時間もずっと見られてたら気がつくよ……。
父さんの作ったケーキを食べて家族の誰かが病気にでもなったのかと思って、ヒヤヒヤした」
苦笑する木崎君(これもレア…以下略)に、あたしは途端に恥ずかしくなる。
うわー、気色悪い奴だとか思われてないよね?! 普通に話しかけてくれてるもんね、木崎君!!
「……まぁ、別に僕が他の人からじろじろ見られるのは今に始まったことじゃないから、別にいいんだけど」
と、さすがに人気者の自覚はあるのか、寛容な木崎君。ありがとう。
でも、やっぱあたし、見すぎだった……よね。ごめんなさい……。
しゅんとなったあたしに困ったように笑って、木崎君は「まあ、当たりなんだけど」と言った。
「はぇ?」
「うん。『見たくないものが見える』っていうの。これも、物心ついてから当たり前に見えてた。
多分、大多数の人には見えてないものだと思う」
「…………えっと……」
自分で指摘しておいてなんだが、それってつまり……アレだよね?幽霊とか、妖怪とか、なんかそういう見えちゃいけないモノ?
「まぁ、漫画とかに出てくるような、リアルなのはあんまり見えないけどね。詳しく言ったら野中さんが怖がりそうだからやめておくけど、僕があんまり視界に入れたくない形状のモノが、人が多いところはよく集まるから。正直、黒板の内容がそのせいで見えないこともあるから、授業中前を向いてるのが馬鹿らしくって」
怖い話が大っ嫌いなあたしの顔色が悪くなったのに気がついたのか、木崎君はそう言って優しく微笑んだ(これもレア……以下略)。
うわああん、多分そうかなーと思ってた事実が当たってて嬉しいはずなのに嬉しくない!
まさかあたしに何か変なのが取り憑いてたりしないよね?!
あたしのそんな情けない言葉に、木崎君は笑って「大丈夫だよ、何かくっついてたら僕、野中さんと会話しようだなんて思わないから」とさらっと酷いことを優しく言ってくれた。
……あれ、木崎君て案外酷い人? あれれ?
「……でも、困ったなぁ」
微笑んだまま、木崎君は全然困ってない調子でそんなことを言った。
「何が? あっ、あたし、このことは絶対誰にも言わないよ!」
「うん、それは別にどっちでもいいんだけど」
どっちでもいいんかい。
いや、わざわざ言いふらしたりしないけど。だって、絶対あたしの頭がおかしいとか、木崎君をけなす嫌な奴って思われるだけだろうし。
それに、あたしは怖い話が嫌いだけど、根っこの部分では幽霊とか超常現象とかあんまり信じてない(ていうか信じたくない)。でも、それが絶対にないとは言い切れないと思ってる。
だから、木崎君が聞こえるというのなら、他の誰にも聞こえなくてもその『音』は存在しているのだろうし、他の誰に見えなくても『何か』が木崎君に見えるのなら、それは確かに存在しているのだ。
……でも、木崎君が別に自分の事情について、そこまでひた隠しにしたいわけじゃないんだったら、何が困るんだろう。
「木崎君? 何が困るの?」
「んー……。まぁ、野中さんは気にしなくていいよ。主に困るのは、敏行さんと僕だから」
「ええ? なんでここでいきなりおじちゃんが出てくるの?」
あたしの問いかけに、木崎君は微笑んだまま答えてくれない。
ううん、そんなキラキラした笑顔で誤魔化せると思うなー! 今までの会話でなんとなくわかったけど、木崎君、案外強かな性格してるでしょ!
しかし、いっこうに理由を話してくれない木崎君に、あたしはとうとう追及を諦めた。
縁側に面した部屋の時計を見ると、そろそろおじちゃんが帰ってくる時間だ。あたしもご飯のために家に帰らなくちゃいけない。
だから最後に、あたしは木崎君に今日の会話でひとつ、疑問に思ったことを尋ねた。
勿論、どうして急に木崎君が自分の特殊な事情について、あたしに話してくれたのか、ということをだ。
「ああ、それはまぁ、危ないケーキを一緒に食べて、おまけに1個押し付けちゃったし」
「危ない? 普通に美味しかったけど?」
木崎君の解答に、あたしは首を傾げた。
甘いもの大好きなうちの家族はあの日の晩、皆で仲良くケーキを頂いたのだ。あたしがお礼を言うならまだしも、どうしてそれが理由になるんだろう。
「うん。一応、大丈夫そうなの渡したから平気だとは思ったんだけど、あの父さんが作ったものだから……」
ふっと遠い目をする木崎君を不思議に思う。
……木崎君のお父さんって、もしかして、変わった人なのかな?
「……ケーキのことだけ?」
「あとは、なんとなく親近感が湧いたから、かな」
親近感。……あたしに、木崎君が?
…………何で? そりゃ、小学校からずっと同じクラスだけど、特別仲良くもないのに?
思ったことがそのまま顔に出ていたのか、木崎君は笑って「名前だよ」と言った。
「……名前?」
「うん。僕は下の名前、優吾って言うんだけど」
それはさすがに知ってます。おじちゃんも「優吾君」って呼んでるし。
「それがどうしたの?」
「気がつかない? 野中さん、下の名前、『夕子』でしょ」
読みが一文字違いだから、なんとなく親近感。
ぼんやりとそんなことを言って笑う木崎君に、あたしは呆気にとられてしまった。
……まさか、そんなくだらないことで?
いや、喜ぶべきなのかな、これ……なんか仲良くなれたし……でも、なんかだかな……。
内心かなり複雑なあたしは、それが顔に出ていたのか、木崎君が不思議そうな顔をした。
いや、別に、木崎君があたしに特別な気持ちを抱いてたから、とかそういうことを期待していたわけじゃないけど、いまいち釈然としない。
……そりゃ、ちょっとは期待してたけど。でもでも、ほんとにちょっとだけだし!!
そんなこんなで、木崎君を前に悶々としていたあたしは、おじちゃんが帰ってきてから木崎君と別れて家路についた。
別れ際、木崎君は「また明日、学校で」と笑っていた。
きっと、明日も学校で会う木崎君は、「ぼーっとしてるけど実は凄い人」という「殻」に自分を閉じ込めた木崎君なんだろう。
でも、それはそれでいいと思う。本来の、普通の男の子のように笑って話をしてくれる木崎君を皆が知れないのは残念だけど。
なんの特殊能力も持たないあたしには、木崎君の他の人には分からないものを見たり聞いたりする体質を治すことはできないし、下手に「殻」をやめさせたせいでしんどくなって、木崎君が学校に来なくなるのは嫌だから。
それに、木崎君も学校は好きって言っていたから、きっと大丈夫。もし辛そうなら、その時は友達として出来る限り、助けてあげよう。
なんだかんだいって、木崎君の今まで知らなかった一面を知って有頂天だったあたしは、だから、あたしが去った後、木崎君がおじちゃんとこんな会話をしていたことを全く知らなかった。
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「……優吾君? 何、その笑顔。木崎さんにそっくりだよ?」
「嫌だな、敏行さん。……潰すよ?」
「ごめんなさいすみません見間違いでした」
「まったく……。家族で父さんに似てるのはあきちゃんだけだよ。僕は母さん似」
「(いや、外見は全員木崎さん寄りだよ……。性格もそこはかとなく、全員木崎さんの血を感じるよ……)
分かった、分かった。そうだったな、優吾君は奥さん似だったな、うん」
「……今、何か失礼なことを心の中で言われた気がするけど、まぁいいよ。
ところで、敏行さん。これからちょっと、気をつけてほしいんだけど」
「(ぼんやりしてる癖に怖い子だな、ほんとに)……気をつけるって、何に?」
「狐」
「え」
「野中さん、ちょっと、可愛い」
「は?」
「困ったな、ほんと……。知ってるでしょ? ここの神社の狐、僕のお気に入りにいつも悪戯するから。あの狐、母さんは父さんがついてるの知ってるから大丈夫だし、和兄さんもあきちゃんがいるの知ってるから平気だし。純は1人でも心配いらないから、別にいいし」
「え、ちょ、何? 優吾君、狐が鬱陶しいから中学出るまで、異性で特定の仲の良い子は作らないって言ってなかった?」
「うん、言った。でも撤回する。無理。野中さん可愛い」
「はぁっ? そりゃ、夕子ちゃんはいい子だけどっ。
優吾君、君ね、あの性悪狐を殺さずに抑えるの、すっごい大変だって知ってて言ってる?」
「うん。大丈夫、僕も手伝うから」
「いやいやいや、我慢しようよ、あと1年半くらい!」
「無理。野中さん、すごい可愛い」
「だんだん褒め言葉がグレードアップしてきてるな、おい!」
「大体、思春期にそんな風に交友関係を無理矢理限定して禁止するのって、おかしいよね?
健全そうに見えて、実は逆に不健全だよ、それ」
「そう言って俺が反対したのを押し切ったの、優吾君だよね?!」
「まぁまぁ。明日から、学校の帰りにちゃんと寄るから。日曜日も『掃除』、手伝うよ」
「こらこら、何決定してるの」
「だから、僕に協力してよ。野中さん、ぽやっとしてるのに鋭いし、怖がりだし、思ってることわかりやすくて、すごい可愛い。僕、あの子、欲しい」
「(ぼんやりしてる癖に実は性格が凄い歪んでる子がなんか怖いこと言ってる!) 夕子ちゃんはモノじゃないっ!」
「……ふぅん。協力してくれないの? なら、僕、今からでもあの狐、殺しに行くけど?」
「……っ!! ま、待てこらっ!! わかった、わかったから! 殺すのだけは待ってくれ、あと1年半!!」
「うん。じゃ、これからよろしくね」
「(変わり身早いな!! でも本気で殺しに行く気だったなこのクソ餓鬼……!) ……分かった。俺も夕子ちゃんは娘みたいなもんだから、狐は全力で抑える。が、フォローしきれん部分もあるから、それは優吾君に任せるよ」
「うん。……楽しみだな」
「(すまん、夕子ちゃん…! おじちゃん頑張るから、このクソ餓鬼の魔の手から逃れてくれ……!!) ……はぁ」
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ちなみに、その日から毎週日曜日の夕方、差し入れがなくてもおじちゃんの家に行って、木崎君とお話するのがあたしの楽しい習慣になったのだった。
何故かおじちゃんは疲れた顔をしているけど、木崎君とも仲良くなれて、あたしとしては嬉しい限り。
やっぱり、友達っていいよね! これからも、木崎君のいろんな面を知りたいなぁ。
木崎家長男と同級生ちゃんのお話でした。
きゃーきゃーとアイドルの追っかけのように騒ぐのではなく、そっと周囲から温かい目で見守りたい系の長男。実は姉のおかげで先生に目を付けられていた部分もありました。
※簡易人物紹介
木崎優吾:木崎家長男。14歳、中2。小さい頃から色々見えたり聞こえたりする苦労人。野中さんが可愛いらしい。
野中夕子:野中家長女(兄2人・弟1人)。14歳、中2。明るくて活発な女の子。憧れの木崎君と仲良くなれて、ご満悦。
狩野敏行:狩野家長男。54歳。実はそこそこ売れてる小説家。でも周りには無職だと思われている。3歳児の優吾に良いように使われて以来、腐れ縁が続いている不憫な人。この人も色々見えたり聞こえたりする。