天国と地獄の男 従業員
男には口癖があった。「手伝いましょうか?」というものだ。この優しい口癖のせいで男が勤めている人手不足の会社でたくさんの仕事を引き受けてしまい過労死した。男は死んだ時 この口癖を後悔した。しかし、男は生きている間にたくさんの人の手伝いをしたということで天国に行けると聞き喜んだ。天国に行く方法とは単純である三途の川を渡りその先に二つの道が分かれている。そこにある案内所で手続きをして天国と地獄のどちらかへ行くと言うものだ。男は三途の川を渡ると長い行列ができていることに気づく。どうやら地獄へ来る人間が多すぎて従業員が足らずに行列ができていて至急 募集をかけているが従業員が集まりこの行列が動くのはいつのことになるかと言った。男は苦笑いして「手伝いましょうか?」と言い地獄への道を歩いて行った。