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ぼくのともだち⑯
「ナカ ナイデ クダサイ、ケンイチロー。
ダイジョウブ、オカアサン ハ スグ ニ カエッテ
キマス カラ。」
「もういいよ、かのん。しずかにして。」
「ケンイチロー ハ ツヨ―」
「うるさい!だまってってば。もうかのんなんてキライだ。」
かのんはぼくのことをはげまそうとしているだけなのに、
ぼくのわるくちがとまりません。
「カノン ハ ピーマン デスカ?クモ デスカ?」
「なにをいっているの?わけのわからないことをいうなっ!」
「ケンイチロー ニ ツノ ガ ハエ テ イマス。
コワイ デス。」
「うるさーい!!!」
ぼくはかのんのあたまをつかみ、ちからいっぱいかべに
なげつけました。じぶんでもびっくりしてしまうくらい、
おおきなおとがでました。
かのんはうごかなくなりました。
しゃべらなくなりました。
めが、ひからなくなりました。
あれから10年以上の月日が流れた。