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ぼくのともだち⑪
あるひ、ぼくのベッドにクモがでました。ちょっとおおきい
クモでした。
「クモ、だいっきらい~!」
けれどもぼくは、おふとんからでられません。おもわずかのんを
よんでしまいました。
「ドーシマシタ?ケンイチロー。」
「かのん、クモが、クモがぼくのふとんのうえに・・・」
そういったときには、もうクモはいなくなっていました。
「ケンイチロー ハ クモ ガ キライ デスカ?」
「うん・・・・・・」
「クモ ハ マズイ デスカ?」
「ケンイチロー ハ ツヨイ コ ダト キイテ イマス。」
「え、だれから?」
「オカアサン デス。ソレト、ヤサシイ トモ イッテ
イマシタヨ。デモ コレハ ナイショ ダ ソウ デス。」
おかあさんからそんなことをいわれたことはありません。でも、
つよくてやさしいこだとしんじてくれていたら、うれしいです。
だから、そんなおとこのこにならないといけません。クモに
まけていたらつよくない。クモをころしていたらやさしくない。
それならばクモをきにしなければいいんだ。クモくらい
どうってことないじゃないかっ。