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山賊少女と魔法の杖  作者: babie
孤児時代
6/20

閃光

3話連続投稿の1話目です。

 カミーユ一家の朝は早い。まだ暗い内に全員で共同井戸から水を汲み、一部をたらいに入れてみんなで体を拭く。トマとシュザンヌはまだ小さいのでまだ半分寝てるが、年長のカミーユ・クロエ・ジャンが、顔を拭き手を拭き足を拭き、甲斐甲斐しく世話をしてやる。全身を拭き終わる頃には、目も覚め元気に遊び出す。朝食を昨日のバゲットの半分と作り置きしてた肉のペーストで手早く済ませ、カミーユとジャンは出かける。


「「いってきまーす!」」

「「「いってらっしゃーい」」」


 2人とも、カミーユの母が働いていた宿屋兼食堂兼酒場で、女将さんの温情で、お手伝いと料理人見習いとして働いている。トマとシュザンヌはお留守番、クロエはその子守兼内職だ。


「カミーユ姉、トマとシュザンヌ大丈夫かな。昨日興奮してちょっと眠れなかったみたいだし」

「大丈夫よ、クロエがついてるもの。私よりしっかりしてるし」


 2人は宿屋に着いたら、まず、親父さん女将さんに挨拶し、足を洗いサンダルを履く。カミーユは母の着ていた給仕服を女将さんが大いに詰めて仕立て直したものを着用し、ジャンはエプロンを被る。女将さんたちはくれるというのだが、汚れるからと断っていた。


「さあ、がんばろう!」


 カミーユは空いてる部屋の掃除、ジャンは食堂の仕込みの手伝いを主にする。昼のもっとも忙しい時間になると、カミーユは給仕に早変わりし、ジャンは簡単な料理を担当したりもする。


 こうして働いたら、お仕着せを返して宿屋を出るのだが、2人は別行動になる。カミーユは商店街を回り何か日雇いの仕事がないか探し、ジャンは女将さんにもらった余り物を家で待つ3人に届けるのだ。今日も女将さんは余り物と称しながら、多くはクズ野菜やクズ肉だがまだみずみずしい食べ物が含まれてる籠を、ジャンに渡す。カミーユとジャンは感謝しお礼を述べるのだった。


 カミーユはいつものように商店街を回ろうとしたが、昨日の今日で衛兵に追いかけられてもつまらないので、魔術師の老婆の元へ行ってみようと思った。カミーユたちの住んでいるところはスラムのまだ浅い方で、魔術師と会った場所は城壁近くの奥地だ。カミーユは、ガラの悪いのに絡まれるのを忌避して、念のため顔を汚し、昨日のように屋根から行くことにした。


「おっかしーなー」


 確かにここだと思った部屋の場所は、ぽっかり凹んでいたのだった。カミーユが、魔法使いならそういうこともあるのだろうと、踵を返したとき、雷のように、光と共に大きな音が炸裂した。

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