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山賊少女と魔法の杖  作者: babie
孤児時代
4/20

家族

3話連続更新1話目です。

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2017-06-25 「家」から「家族」に改題しました。また、加筆修正しました。

「ただいまーっ」

「「「「おかえりーっ」」」」


 カミーユがドアを開け帰宅の挨拶をすると、4つの元気な声が挨拶を返す。ここはスラムの片隅の一軒家だ。5人で暮らすにはいかにも狭いが、土間の台所もあり、スラムと考えるとまぁまぁの部屋だった。


「おそーい、カミーユお姉ちゃん」


 一番小さな女の子シュザンヌが口とは裏腹に笑顔で飛びついてきた。金髪で青い瞳。赤髪茶色の瞳のカミーユと実の姉妹ではないことが一目でわかる。まだ5歳ぐらいで甘えたい盛りのようだ。


「シュザンヌ、ごめんね、ちょっと不思議な体験をしたんだー。食事の時に話すね」

「不思議って?」

「それは後のお楽しみ〜」

「えーっ」


 カミーユは棒を持った片方の腕でシュザンヌを抱きながら、バゲットをテーブル--それはテーブルと呼ぶには背も低く板に貼り合わせ足をつけただけの貧相なものであったが--に置く。


「わぁ、おっきいバゲット!」

「へへー、道案内したらもらったんだー」


 今度は小さな男の子トマがバゲットに目をキラキラさせている。カミーユは棒をどこに置こうと一瞬迷ってテーブルをぐるっとまわり、土間の壁に立てかける。


「ちょうどスープできたよ」

「ジャン、いつもありがとう。もう立派なシェフだね!」


 台所でかまどの番をしていた男の子ジャンが声をかける。視線を鍋から離さず仏頂面だが頰が赤い。


「何? その棒」


 一番年長だろう女の子クロエが水を瓶からカップに汲みながら問う。


「なんと! この棒ねー、なんと魔法使いのおばあさんからもらったんだ!」

「「「「魔法!」」」」


 子供達は一様に驚きの声をあげた。そう、魔法は珍しい。一握りの人しか使えない御技だ。カミーユはシュザンヌをテーブルの前に下ろし--椅子がないので床に直座りだ--配膳の続きを引き継ぐ。


「呪われたりしない?」

「大丈夫よぉ。おばあちゃん優しそうだったもん。はい、それよりご飯、ご飯」


みんなはまだまだ質問がありそうだったが、カミーユはパンパンと手を叩き食事の準備を急がせる。背の低いテーブルの周りにみんな直座りし、お祈りの文句を唱える。


「聖マテヴの、御恵みにより、今日も、美味しく、いただきます」

「「「「いただきます!」」」」


カミーユが手に入れてきたバゲットの半分を4等分にしたものとクズ野菜とクズ肉を茹でて塩を振ったスープだけの侘しい食事だが、みんな笑顔だった。




「ところで、棒のことなんだけど」


 皆が食事を掻き込み人心地ついたところで、クロエが質問する。


「あー、うん、これねー」


 カミーユはよく考えたら、棒に関する説明を何も受けてないことに気づいた。しかし、なぜか棒に対する知識が自分にはあり、答えることができた。


「これを持って歩けば、その人と続く人たちがみんな疲れずに歩いていけるんだって」

「「「「……微妙〜」」」」

「もーっ、もらった物にそんなこと言うのは失礼でしょ」


 他の4人は杖の効果に微妙な表情になっていた。カミーユは自分でも微妙と思いながらも子供たちをたしなめる。せめて、敷くと暖かい食事が出てくるテーブルクロスだとか、身を隠せるローブとかだと良かったのにな、と思わなくもない。だが、きっとこれは役に立つという確信があった。その幸か不幸かわからない予感を隠しながら、カミーユは今日の出会いを語り聞かせた。


「なーんだ、結局寝ちゃってほとんど話してないんじゃない」

「あはは、さあ、もう遅いわ、明日のために寝ましょう」


みんな就寝の用意をし始めた。テーブルを壁に立て、ランプを消し、2枚の毛布を分けあって、床に直で雑魚寝して眠るのだった。


新キャラ4人一気に紹介するの難しい……

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