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山賊少女と魔法の杖  作者: babie
孤児時代
15/20

仕事

 カミーユは、面接から1週間ほどして、ベルナールド商会で働き始めた。酒場も倉庫番も、給金が安かったとはいえ、女将さんや商店街の人々に無理を言って雇ってもらったので、交代の人員ができるまでは心情的に抜けられなかったのだ。


 シルヴァン商会長の提示した条件は破格のものだった。普通、見習いの奉公は賃金など出ないし、3〜5年もの間住み込みで家事雑事をこなしながら仕事を見て覚えるものだ。だが、カミーユの場合は、通いでの仕事を認め、給金も1人前のもので、なおかつ炊事洗濯掃除などは免除された。というのも、シルヴァン商会長は、カミーユの記憶力を買って雇ったのであり、雑事に使うのは勿体無いと考えいていたからだ。


 カミーユはその期待に答え、1週間ほど仕事場を観察して、持ち前の記憶力で一通りの物事を覚えてしまった。伝言を頼んでも御用聞きをやらせてみても卒なく、優秀だった。感心したシルヴァン商会長は、新品のお仕着せまで用意してくれたのだった。新品の服はオーダーメイドなので高い。既製服などまだなかった。普通の町人は古着を買って着る。これにはカミーユも感激し、一層仕事に励むのを心に誓うのだった。なぜか、男の子の服装だったが。


 商会の小僧としてのカミーユの1日は、商会近くの広場の水場で顔を洗うところから始まる。手足も拭いさっぱりとしたところで、店の扉を潜る。裏で服を着替えた後、シルヴァン商会長の元へ向かう。そこで今日の仕事を聞き、働き始める。仕事の内容は、伝言・御用聞きが主だ。電話のない時代である。足が速く、正確に言葉を覚えられるカミーユは重宝された。未だ、信用を積み重ねてる最中なため、お金を扱うような仕事は任せられなかったが、このまま真面目に働けばそれもありえない話ではなかった。


 お昼ご飯も賄いが出た。暇な時は、ミシェルの歌劇の稽古に付き合わされた。カミーユも楽しかったが、やはり同僚はいい顔をしなかった。そんなこんなで日が暮れる前に、1日の給金を貰い、お仕着せからボロ服に着替え、顔を土で汚し、自宅に帰るのだった。


 自宅に帰ると、まずするのは、給金を土間に隠してある壺に入れることだ。お金に余裕ができたことなど、深部の貧民街のチンピラにバレるわけにはいかない。あればあっただけ持っていくのが奴らだ。トマやシュザンヌのちびっこ供にも固く口を噤んでいるよう言ってある。チンピラのあしらい方も慣れてきた。わかりやすい場所にお金の一部を隠しておき、目線などでわざと見つけさせ、すがりついてみせる。業腹だが、ある程度の出費は致し方ないと諦めた。最近は余裕が出てきたので、ジャンやクロエの残業もやめさせた。こうして、カミーユ一家は昔と同じような生活を取り戻しつつあった。


スランプに落ちかけたんですが、面白い・面白くないは土日の改稿で考えることにして、酒を飲んだら解決しました。

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