番外術式 妹
回想編です!
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ある日突然、妹は豹変した。
中学では常に成績上位。運動も万能で、普通にかわいいと思う。
果たして兄妹なのか?とも思わせるぐらい優秀な妹は、悔しくもあるが俺の誇りだった。
……のだが。
「汝に命を下す。我はこれより、兄の眷属なり!」
妹は中二病化したのだ。
それは唐突に始まった。
俺がアニメを好きになって1ヶ月の頃だろうか。
あの日、学校から帰宅した俺は、疲労困憊した身体を癒そうと自室のベッドに真っ先へ向かった。
この時期、まだ自室にはグッズ類などなく、綺麗に清掃が行き届いた清潔感が溢れていた。
俺はクーラーをつけるや否や、自分のベッドへと倒れこむ。
春暁のような心地よい眠りに期待し、目を閉じた。その瞬間!
「兄よ、待ちわびていたぞ。我は魔族の長・グラ……」
「なんでお前がいんだよぉぉぉ!」
同衾していた妹から離れるため、布団を出ようとするが、ガシッと腕を掴まれて動けない。なんて力だコイツ。
「なぜ逃げるのだ。我はお前の眷属だぞ?気を使わんでくれ」
「いや、そういう問題じゃなくて顔近っ、ていうか何で俺の布団にお前がいるんだよ!」
「だって眷属は主人と同衾するのが掟だと聞いたぞ」
誰得だよ。
取り敢えず、この布団から脱出しなくてはならん。妹と一緒の布団で寝るとか、この年齢でそれはシャレにならんぞ。
っていうか顔が近いし、吐息が当たって超エロい。妹はそこそこ美人だし、俺も理性保てる自信がねぇ。
「兄よ。このまま一緒に寝よう。なあに、かつては毎日一緒に寝ていたではないか」
そう言うと、妹は俺の身体に足を絡める。
妹の足の感触。なんて言ってられない。妹に性的感情を覚えるわけにはいかないのだ。
でも、限界ギリギリだよ!助けてくれ、俺の妹はヤバいやつだった!
「じゃあ、お休み」
「先に寝るなぁぁ!」
先手を打たれたが、妙に安心感があるのは、気のせいだろうか。
「やべ……眠くな……って」
妹のせいで絶たれた睡魔が、妹のせいで再び襲う。
数年前にもこうやって寝たっけ。
今日はなぜか、良く眠れる気がした。
To be continued
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