表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

フリーワンライ企画参加作品集

キミというヒト

作者: 一花

 キミはいつだって見ていないフリをする。

 涙の行方、心の在り処を知っているはずなのに。


 キミはいつだって冷たく人に接する。

 闇を包んだ光の寂しさを感じていながら、寄り添うことを頑なに避けて。


***


 茜映す雲を見ながら、キミは「出ていけ」と言い放つ。

 彼女は泣きながら、その場を走り去る。

 キミは出ていった彼女を窓からずっと眺めていたよね。

 わざとらしくそう言って、彼女がどんな反応をするのか試していたんだ。


 キミはキミが考えているよりもずっと残酷な人だ。

 掴まれた心を潰そうかと迷って、結局自分を壊せなかったキミは、実のところはとても弱い存在なんだ。

 キミはそんな弱い自分を認められず、それどころか隠すために他人を傷つけることを厭わない。


 キミの本性のことならよくわかるよ。

 だってキミのことをずっと近くで見てきたんだもの。


 ほら、鏡をよく見て。

 ちゃんと、自分の顔を見て。 見えるでしょ? キミの瞳に映っているんだから。



「――やっと見つけてくれたね。さぁ、僕と代わろうよ」


《了》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ